卵子凍結は競技を続けるために絶対必要だった

北京オリンピックを目指すにあたり、まず行動したのは、卵子凍結だった。このニュースは現役続行に続いて大きく取り上げられた。この報道を機に女性アスリートだけでなく、全ての女性にライフプランを考えるきっかけを与えただろう。

「卵子凍結をする上では特に決断、葛藤っていうのはなかったですね。人生100年と言われる今、30代って今実際私が生きてみて凄く楽しいですし、そんななかで、もう少し自分の目標のために生きていたいという気持ちが凄く強くあります。それと同時に将来子どもを持つことであったり、家庭を持つといったライフプランを考えたときに、両方手に入れることが凄く難しいとも感じました。

30歳くらいの時からに卵子凍結については考えていたので、私にとって競技を続けるためには、絶対必要なことだと感じています。将来の妊娠・出産が約束されるわけではないけれども、その可能性は残る。こういう一つの手段に出会うことができて自分の老化を一回タイムカプセルに入れるというか、完璧じゃないにしろ一回時間を止めることができたので、今この人生を楽しめているんだと思います」

人生を楽しむこと。それが選手として活躍することにもつながる 写真提供/竹内智香
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30代のアスリートに重くのしかかる問題はこれだけではない。身体を駆使するスポーツはやはり年齢的な限界も見えて来る。自分の年齢と身体について不安はあるのか尋ねた。

年齢によって体力的に厳しいんじゃないか、老化しているんじゃないかという意見は、過去に生きてきた人たちが積み上げてきた固定観念だと思っているんです。でも私はまだ自分の人生を今生きている段階なので、その固定観念に一切耳を傾ける必要はないと考えています。実際、トレーニングの数値や、持ち上げられる重さ、インターバルをやったときの自分の心肺能力には衰えは感じていません。必ず人間なのでどこかでピークは来て衰えは感じると思うのですけど、まだ年齢に対する限界は感じていないというのが正直なところです。

でも、それはやっぱりトレーナーの人たちがトレーニングに対して色んなものを研究してくれて、スポーツ科学が進化しているから受けられている恩恵。色んなものが進化しているから、人生100年の時代に突入にして色んなものが豊かになっていくなかで、本当にそれをうまく利用すれば、まだまだ戦えてまだまだ人生を楽しめるんじゃないかな? というふうに期待をしています」

2021年3月の世界選日本勢で唯一予選を突破し、7位になった竹内選手 Photo by Getty Images