直立二足歩行だけではなかった! 気候乾燥の時代に生じたヒト独特の特徴

「食性変化」猿人が選んだ2つの選択

ヒトは霊長類つまりサルの仲間で、サルから進化したといわれますが、なぜそれがわかるのでしょうか。

第一の理由は、現生生物の中で、ヒトともっともよく似ているのがサルたちだからです。スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネが、18世紀中葉に動植物の近代的分類体系を打ち立てたとき、彼はヒト(ホモ・サピエンス)をサルの仲間、つまり霊長類に分類しました。

この考えは、研究が進んだ現在でも変わっていません。では実際に、ヒトのどのような特徴がサルと共通していて、どのような違いがあるのでしょうか。

サルとヒト、共通する特徴は?

まず、ヒトはサルと姿かたちが似ている、つまり比較解剖学上の類似性があります。

現在の地球上には、約350種のサルがいます。これらは一般に、左右の眼が前に並び、鼻先が極端に突出せず、平らな爪と指紋を備えた指が左右の手足に5本ずつあり、手足でものをつかむことができ(ヒトの足は例外)、腕や脚の関節の自由度が大きくて動きに柔軟性があり、さらに体重に対する比で考えると他の哺乳類に比べ脳がやや大きい傾向があるなどの特徴を共有しています。 

【イラスト】リンネの分類とサルとヒトの共通点リンネの分類(上)とサルとヒトの共通点 illustration by Saori Yasutomi

ヒトとサルのあいだには、行動学上の類似点も多くあります。動物園のサル山で10分も観察すればわかるように、社会性が高く、仲間どうしでさまざまな駆け引きを行なうほど頭がよいといった特徴も、ヒトとサルに共通しています。

チンパンジー、ゴリラ、オランウータン。近縁は?

サルの中でも、とりわけヒトとよく似ているのが、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどの大型類人猿です。ヒトと大型類人猿の関係は、遺伝学的な研究の登場によって、もっと詳しくわかるようになりました。

【イラスト】現生霊長類の分類現生霊長類の分類 illustration by Saori Yasutomi

ヒトとサルのDNAの類似性を調べる研究は、1960年代ごろから間接的な手法を用いてはじまりました。そして、遺伝子と人類進化の研究について述べた〈ゲノム研究によって、ヒトに至る遺伝子進化はどこまでわかったのか?〉(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89480)でも触れたように、その後の解析技術の飛躍的進歩により、現在では大型類人猿の中でもっともヒトに近いのはチンパンジーの仲間であることが明らかにされています。

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