「もったいない」の先にあるもの、
サプライチェーンの改革へ。

先進国か途上国かだけでなく、各国の環境、文化、習慣などの違いから生じる問題も少しずつ異なるが、グローバル化の時代においては、SDGsの目標にあるように包括的に捉え、根本から変えて行こうという動きが活発化している。

「欧州ではサプライチェーン全体を本質的に見直し、各段階が連携しながら動き始めているので、日本に比べて生産や出荷の段階でのフードロス対策が進んでいます。個人的な思いとしては、『もったいないから食べる』という心がけに頼っていた日本は、欧州に倣ってサプライチェーン全体でフードロスを減らすことを重視した新しいシステムを進めていくべきだと思います。食料不足で貧しかった時代には『もったいない』という言葉がスローガンのように響きましたが、飽食の時代においては、これに頼るだけでは難しい。なぜフードロスを減らさなければならないのか、ということを根本から考えなければならない段階にあるのです」

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これまでの日本の食のサプライチェーンは、価格と数量ばかりに注目し、欠品防止のために大量陳列し、過剰在庫を抱え、値下げ競争で余った食べ物は捨てるというシステムを作ってきた。質の評価が伴っていなかったことも現在の問題を引き起こしているという。

「今どこに行っても価格アピールばかりで、商品そのものの価値を伝える話がない。消費者が本質的な価値を理解するためには、生産者や事業者とのコミュニケーションが必要ですし、値段以外の価値をきちんと理解した上で購入できるようになるといい。適正価格で品質の良い、本当の意味での“おいしいもの”が世の中に溢れてくるとフードロスは減っていく、それこそがみんなが幸せになる手段だと思います」