作る頻度と「ケーキのタイプ」で型の素材を選ぶ

前編でもお伝えした型選びについて、カヌレ型に限らず詳しくお伝えすると、素人とプロの型の選び方は、「頻度」が基準だということである。型離れしやすいシリコン加工、テフロン加工は、使ううちに中の加工がはがれていってしまう。したがって、頻度の高いプロは、買い替えのコストを考えると、銅やアルミの型を育てていくほうがよい。一方、趣味の範疇であれば、使用頻度がそれほど高くないので、使いやすくお手入れも楽なテフロン加工、シリコン加工、シリコンゴムがお勧めだ

ただ、「くっつかない」シリコン加工、テフロン加工、シリコンゴム型の中でも違いがある。
高温に強いのはテフロン加工、糖分に強いのはシリコン加工、シリコンゴムは230度以下にしか使えない。だから、砂糖が多く含まれるケーキ類にはシリコン加工が、食パンなど糖度が低いものにはテフロン加工が向くという。

食パン型も”育てるタイプ”のアルタイト製、型離れしやすく熱伝導もいい”くろがね"塗装など、各種揃っている。写真提供 馬嶋屋菓子道具店
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巻いても割れないロールケーキ天板

それでも、道具の世界も日進月歩、テフロン加工で糖度の高いお菓子にも使える型も出てきた。櫻井さんに人気商品を教えてもらった。

一つは、テフロン加工のカヌレ型で、糖度の高い生地も型離れしやすく、お値段もリーズナブルとあって、入荷するとすぐに売り切れる人気っぷりだ。吉田社長がカヌレを焼き比べした日も、テフロン加工の型は売り切れており、試作できなかったという。

そしてもう一つが、12月1日に発売されたばかりの、「ロールケーキ天板」だ。こちらは、「しっかり巻こうとすると、生地が割れてしまう」「割れないように巻き方を緩くすれば、今度はクリームが出てくる」など、ロールケーキ作りでよくあるお悩みの原因を、お菓子研究家の稲田多佳子さんと一緒に解決し、誰もがするする巻ける「ロールケーキ天板」を開発した優れもの。

「ロールケーキ作りが楽しくなる」ために作られた天板は、262x197x18.5mm 2,178円 写真提供 馬嶋屋菓子道具店

ほかにも、12月になるとなぜかよく売れる、おうちの形に焼ける食パン型、お菓子初心者には定番人気のシフォンケーキ型やパウンド型、絶対失敗しないマフィン型がよく売れている。さらに特注のクッキー型の注文も増えており、最近では「マンタ」や「相撲取り」「鳥獣戯画」のリクエストもあったという。

馬嶋屋菓子道具店では、オリジナルのクッキー抜き型製作講座も開催中。http://majimaya.com/archives/1116/

料理が得意でなくても、見ているだけでワクワクしてくる合羽橋の問屋街。
初めての人は、地名にも駅名にもない「合羽橋」への行き方に戸惑うこともあるが、上野と浅草の中間に位置する長い商店街のことを指す。そして、最寄り駅は銀座線の田原町だ。