コロナ禍で売り切れ続出したもの。それは小麦粉やバター。そう、家で調理をする人が増えるとともに、時間をかけてお菓子を焼く人が増えたため、製菓材料が多く売り上げを伸ばしたのである。そして、「製菓材料」には製菓用の調理器具も含まれる。しかし製菓用の調理器具のお手入れ、正しいやり方を知っているだろうか

調理器具から料理サンプル、コックコートやメニュー看板、テイクアウト用の包装といったものまで、飲食関連のものが何でも揃う合羽橋商店街で、創業70年の洋菓子の調理道具や機会を扱う馬嶋屋菓子道具店。ここは老舗ながら玄人のお客さんを減らすことなく、新しいお客さんがどんどん増えている。その理由は、多種多様な菓子道具を揃え、「お菓子型で揃えていないものはない」と言えるからだ。

創業70年の馬嶋屋菓子道具店は、和菓子の木型を製作・販売から始まった。洋菓子が主流になった今でも職人の道具造りへの思いを忘れないよう、レジ前には木型が掲げられている。写真提供 馬嶋屋菓子道具店

そんな馬嶋屋菓子道具店に2021年の人気ケーキ型について詳しく伺う前編「合羽橋 ケーキ型売上ランキング 、昨年1位はシフォン型、2021年爆売れしたのは?」では、ここ5~6年不動の1位だったシフォン型を抜き去り、堂々の1位に輝いたのは「カヌレ型」だということをお伝えした。しかしカヌレは型の材質が焼き上がりや型離れに大きく影響するので、型選びがなかなか難しいという。前編ではその選び方までお聞きした。後編では自分に合ったカヌレ型など好きなケーキ型を買った後、どのようにメンテナンスをしたらいいのかを詳しく伺う。初心者でも使いやすい型のオススメも!

合羽橋の老舗菓子道具店で今年一番売れたケーキ型は? 前編「合羽橋売れ筋ケーキ型、5年連続1位のシフォン型を抜き '21年ベスト1位は」はこちら
「型離れしない」というお客様の声を受け、店にあるカヌレ型で、試し焼きをしてみたという。写真提供 馬嶋屋菓子道具店
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ケーキの型は洗ってはいけない?

手の平サイズの、美しい銅製のカヌレ型に一目ぼれして、プロのように型を育ててみたいと思われる方もいるかもしれない。そんな方に、購入前に知っていただきたいのが、「使用後のお手入れ」方法だ。

カヌレに限らず、タルトやケーキが焼き上がり、型から外したら、型はどうするだろうか。私はこびりついたケーキのカスをぬるま湯でゆるめ、洗剤をつけたスポンジで洗っていた。しかし馬嶋屋菓子道具店の店長・櫻井裕さん曰く、

「それは避けてほしいやり方です」。

内側はテフロン加工、外側は耐熱塗装したブリキ地のあかがね塗カヌレ型は、初心者でも使いやすく、お手入れもらく。写真提供 馬嶋屋菓子道具店

なぜか。櫻井さんは続ける。
「テフロン加工、シリコン加工された型やフライパンは、金属の上に、テフロンやシリコンで薄くコーティング加工しています。こびりつきにくいので、油を引かなくてもいいという情報もあるようですが、それは間違いです。表面加工のテフロンやシリコンは、使っているうちにどうしてもはがれていきます。コーティング加工された型にも、バターを塗ったり、油を引くことで、そうした傷みを緩和させることができます」