今話題の猫腎臓病研究者と藤さんが対談!

9月26日公開の藤あや子さんの「マルとオレオとあや子の猫日記」の記事で、藤さんが5月から開始していたチャリティーの収益222万2,222円を猫の腎臓病研究に寄付したことをお伝えしました。

猫にとって腎臓病は宿命ともいえる病。年齢とともに多くの猫が罹患し、年齢を重ねるほど腎臓病に苦しみ、命を落とす猫も少なくありません。飼い主にとっても、腎臓ケアは気になるところです。今回、藤さんが寄付をした猫の腎臓病研究は、猫と暮らす人にとって長く待ちわびる熱望の治療でもあるのです。

そんな猫の腎臓病の治療薬開発を行っているのは、東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学教授の宮崎徹氏です。藤さんは寄付をされたことでつながりができ、今回宮崎氏との対談が実現! 

一体研究はどこまで進んでいるのか? 猫の治療への実現はいつになるのかなど、多くの人が今すぐ知りたい質問を藤さんが宮崎氏に直撃しました!

藤さんの隣にいるのが、東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学教授の宮崎徹氏。画像/マルオレランドYouTubeより

※この記事は、マルオレランドのYouTubeから抜粋・改編し、再編集しています。

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猫の腎臓病に行きついたのは偶然だった

:はじめまして。こういった研究所に来るのは初めてなので、ちょっとドキドキしています。宮崎先生と私はほぼ同世代なんですよね?

宮崎:こちらこそ、はじめまして。そうですね。同世代というか同級生だと思いますよ。

: 早速ですが、今回、宮崎先生のご著書の『猫が30歳まで生きる日』を読まさせていただきました。先生はいろんな研究をされていたようですが、猫の腎臓病治療にたどり着いたいきさつはどんなことだったのでしょうか?

宮崎:「いろんな偶然が重なって…」と言った方がいいと思います。研究当初は、猫の腎臓病を治せそうな薬が作れるとは夢にも思っていませんでした。

私はもともと、東大病院の消化器系内科で臨床医として勤務していました。そのとき、腎臓病、自己免疫疾患などさまざまな患者さんをたくさん診ていたのですが、医療ではなかなか治らない病気も多く、「ひとつでも治せない病気を減らしたい」という思いが、基礎研究を始めるきっかけになったんですね。国内や海外の大学や研究所で様々な病気を研究している中、腎臓病の研究に行きつきました。

そして、AIMに関するお話を市民講座で行った際に、たまたま獣医師の先生が会場に来られていて、そのとき「猫はほとんどが腎臓病になるんだ」ということを聞き、初めてその事実を知りました。

:ということは、そもそもは人間の腎臓病研究がスタートだったのですね?

宮崎:そうですね。当時は人間の腎臓病のための研究をしていました。もう少し正確に申し上げますと、そもそも私が研究していたのは、「AIM」というものでした。

AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)とは、1999年に発見し、論文で発表した、体内にある「未知のタンパク質」のことです。偶然発見したのですが、体内でどのような働きをしているのか長い間わかりませんでした。ですが、めげずに10年以上研究を続けた結果AIMには、死んだ細胞、壊れたタンパク質、過剰な脂肪やがん細胞など、病気の原因になるような「体の中から出るさまざまなゴミ」を掃除して、いろんな病気を防ぐ作用があることが次々とわかってきたのです。

そして、獣医師の方から猫のほとんどが腎臓病になると伺って、猫の腎臓とAIMの研究も進めてみようと思ったのです。というのは、AIMがないと腎臓病になっても悪化する一方で治らないことがちょうどその時分かっていたからです。実際に調べてみると、猫は先天的にAIMが働いてないことから腎臓病になってしまうことがわかりました。ということは、働いていないAIMを補ってあげればいいのではないか、と。そんなことから、まずは猫から救おうと思ったのです。