2021.12.09
# 不動産

「変動金利」で住宅ローンを組んだ人の末路…インフレで「ローン破綻」の可能性も

供給過剰で価格低下傾向は続く

人口減少とパンデミックが不動産の価値を変える

11月30日公開の「習近平ですら吹っ飛ぶインフレの脅威…2022年、世界『大乱』に立ち向かう7つのポイント」で、これからインフレを「起爆剤」とした世界の「大乱」がやってくることについて述べた。

それでは、不動産はどうなるのか? インフレは「お金の価値が下がって、(相対的に)物(サービス)の価値が上がる」現象だから、「お金を手放して」不動産を購入することは悪くないようにも思える。実際、過去のインフレ期においてはそうであった。

by Gettyimages

だが戦後、日本だけではなく、世界中で人口が増えたことが不動産価格の上昇を先導したことを忘れてはいけない。「地球」の大きさは一定だから、世界人口が増えれば「1人当たりの不動産面積」は減少して価格が上がるというわけだ。

もちろん、正確には「居住可能面積」を増やさなければならないのだが、無理やり居住可能面積を増やしたことが人類に災害をもたらした。最近、世界的に自然災害が増えているように見えるが、実際には「これまで自然災害の危険があって人々が住まなかった場所」を「居住可能地域」にしただけで、災害はいつも通りといえるだろう。

日本では、傾斜地に無理やり家を建てて土砂崩れの被害を受けることがあるが、これも自然災害ではなく「人災」だ。

その「人口増加に伴う不動産開発」の歯車が今まさに逆転を始めている。つまり、今回のインフレは、日本だけではなく世界で人口が減少し不動産需要が減る中で起こるのだ。

さらに、都市への人口集中も特定地域の不動産に対する需要を異常に高め、価格上昇を加速させた。

だが、都市への人口集中はインフラ面などから限界をきたしている。また、先進国の首都を中心とした不動産価格の高騰は経済合理性を越えているように思える。

そこへやってきたのが、中国・武漢発の世界的パンデミックである。都市というのは「不特定多数の人が接触する」ことが基本だから、都市への集中にパンデミックが与えた影響は計り知れない。

 

9月19日公開の「鉄道会社は大丈夫? 『通勤文化』の生き残りがいよいよ怪しくなってきた」は、顕著な例だが、都市への集中が緩和されれば、不動産価格は下落する。

都市という極めて限られた地域の一等地の争奪戦を行うから不動産価格が驚くほど上昇するが、狭いと言われる日本でさえ「ただ同然」の土地は信じられないほどたくさん存在する。都市の需要が郊外へ移ったとしても周辺地域の不動産供給は豊富だから、全般的な不動産価格は下がるというわけだ。

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