日本テレビ系で毎週土曜日に放送中の中学受験ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」。最強最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人を演じる柳楽優弥さんのインタビューを公開したところ、反響をいただいた。「課金ゲーム」「大学系列校」「鉄道オタク」「帰国生」「御三家」「学校の選択肢」……。原作漫画やドラマに登場するエピソードを、リアルに体験した家庭に取材し、紹介してきた。

原作漫画では、塾業界のデリケートな部分にも切り込む。塾が発表する合格者数の裏側や、遠方からの難関校受験ツアーなどに触れている。今回は、開成中より難しいとも言われる筑波大附属駒場中に進学した男子の物語。父親のEさんに、「トップ層の合格実績を得るため、あの手この手の策を繰り出す塾の実態」について伺った。

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小さい頃から勉強サポート

東京都世田谷区にある筑波大附属駒場中(筑駒)。東京「御三家」のトップ・開成中と併願する受験生も多く、大手塾の偏差値表を見ると、関東で最難関の男子校だ。クラスの約半数が、東大に現役合格する。東京都内に住む会社員男性Eさんの長男は、筑駒に合格した。

長男が幼い頃から、Eさんは、様々な可能性を伸ばせるようにサポートしてきた。

「息子は、本が大好きでした。図書館に行くと、親の分も合わせて、限度の冊数まで何十冊も借ります。感受性が強く、本を読んで家族と感想を言い合いました。書くのも得意で、日記を書いていました。

学校の勉強の他に、市販のドリルは小2の時に6年生まで進み、サピックス(難関校を目指す大手塾)の問題集も使ってみました。サッカーやピアノもやりました。どんな分野で芽が出るかわからないので、いろいろ体験させたかったんです」

本が大好きで文章を書くのが好きで、市販のドリルもやり、サッカーやピアノもやる。本人がやりたくなかったら全部はできない。本人の興味や可能性をなんでも広げていったということなのだろう(写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock

Eさん自身も、中学受験について、熱心に研究した。

「中学受験の塾に入る前は、何十冊も受験の本や雑誌を読んで、塾の研究をしました。サピックスは自宅から遠く、毎週の授業で初見のプリントが配られると知り、親のサポートが大変そうで断念しました。

小3の時、初めて受けた全国模試でいい成績を納め、ある塾の校舎長に勧誘されました。検討の結果、電車で通う別の大手塾に決めました。

息子が通った塾は、予習して授業を受けに行くスタイルです。テキストを読む力、国語力がすべての教科の基本なので、国語が得意な息子には、このやり方が合っていました」