「3年から5年」が「一般的」説明

ここまで読んでいただき、軽くALSのことをご存じの方は、やはり28年という年月に驚かれた方もいると思います。実は今回のイベントにおいてALSに罹患してからの年数は6人中4人が10年以上経過していて、お一人が9年です。1番短い方でも、皆さんがご存じの私の診断後2年よりも1年半長い3年半が経過していらっしゃり、この方は元気にお喋りをしていらっしゃいました。

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この連載の冒頭にあるALSの紹介にも「感覚があるままに体が動かなくなる病気」と書きました。少し調べると「3年から5年で全身の筋肉が衰えていき、呼吸筋も衰えて自発呼吸が出来なくなり死に至る」という説明を見かける難病です。そして状況によっては3年を待たずして天に召される方もいらっしゃいます。

ALSという難病をご存じの方は「この説明部分を知っている方」が圧倒的に多いのです。ですからALSに罹患するという事は余命宣告を受けているのと同じように感じる方も多いという事です。しかしながら、もう少し調べていただくとALSという難病は、その個人のALS病状の呼吸器系の進行に合わせて「気管切開・胃瘻造設・人工呼吸器装着」という対症療法をすることによって、生存期間は飛躍的に長くなるケースが出ているのです。ALS罹患者を取り巻く医療機器環境も進化をしているのです。

「治療法が分からずに、罹患しても何もすることがない難病」という事は変わりなくそのままです。しかし、治療法とは異なりますが、その病状での生活を維持できる方法が発展しているのです。医療系の発達とともに介護用品のコミュニケーションツールなどの発達も目覚ましい取り組みがなされています。文字盤と呼ばれる昔からあるツールから、パソコンを使用しての視線入力などがそれにあたります。

津久井さんも視線入力にも挑戦中 写真提供/津久井教生

「自分をプレゼン」のイベントでも、パソコンのソフトを利用した発表が多く、入力した文字を音声が読み上げて写真や図などを説明して、大変分かりやすい発表になっていました。