実はかつて「2ちゃんねる」に入り浸っていた「隠れねらー」太田奈緒子さん。高校生の息子を通して、その同級生や同世代に取材しSNS上で展開されるいじめや危険な誘惑などの現状についてたびたび寄稿している。

SNSが登場する前に一世を風靡し、同時に問題も指摘されていた「2ちゃんねる」。しかし「2ちゃんには流儀があった」「SNSにはない魅力がある」という意見も多い。

今振り返ると2ちゃんねるとは? そして、今のSNSコミュニケーションと違う点は一体何かを考察する。前編「「流儀があった」「学びがあった」40~50代が「2ちゃんねる」を懐かしがる理由」では、「2ちゃんねるを懐かしがる理由」について多くの声をご紹介した。その後編では、小説やドラマにもなった伝説の「2ちゃんねる優良スレッド」から、2ちゃんねるの功罪について詳しく伝えていく。

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小説化に映画化、スレ民たちが作り上げた名スレッド

有名なスレッドといえば、小説やドラマにもなった「電車男」。モテないオタクの男性“電車男”が独身男性板で恋愛相談をして、からかわれたり煽られたりしながらも、真摯に行動するうちにスレ民みんなが電車男を応援。掲示板の参加者たちは、彼の片思いの進展報告に一喜一憂しつつ見守り、電車男は見事に恋を成就したという伝説の良スレだ。これ以外にも、2ちゃんねる内のコミュニケーションによって、書き込んだ人の人生が激変する様子が垣間見られる例は他の板にもあった。

山田孝之主演で、マドンナ役のエルメスさんを中谷美紀が演じ映画化もされた。

「姑との付き合いに悩んでいた新婚当時、よく見ていたのが家庭板や既婚女性板。私の悩みなんか比べものにならない壮絶な血みどろバトルとか、婚家で奴隷のような生活をする同居嫁さんの話にびっくり。夫や婚家からの経済的・身体的DVに悩みつつ半ば諦めていた人がスレを読むうちに『私の状況は普通じゃない』って覚醒して、子どもを連れて婚家から脱出し、離婚に向けて戦った書き込みなどは、普段はディスりまくりのスレ民が一丸となって応援し、いろんな知恵やアイディアを出して全力で脱出をサポートする様子が胸アツでした」(Hさん・45歳)

「私は女性なのでロム専(見ているだけの意味)だったけど、既婚男性板の『逃げられ寸前男達の駆け込み寺』というスレッドは勉強になりました。相談者は妻に離婚されそうなダメダメな人ばかり。いくらアドバイスを受けても全然理解できずに言い訳ばかりで自分を正当化して結局、離婚されちゃう人と、最悪な考えの持ち主だったけど、みんなの叱咤激励を素直に聞いて必死で努力して離婚を回避できる人がいて、『うちの夫もダメダメ夫と同じ考え方なのかも』とか『夫側は妻の言動をこんなふうに受け止めるんだ』と発見も多かった」(Iさん・55歳)