デジタル庁まかせではマイナンバーカード利用拡大は単なる不便拡大

ワクチンパスポート、健康保険証までも

健康保険証のかわりにマイナンバーカードを利用する計画は、病院も患者も望んでいない仕組みの導入ではないか? マイナンバーカードが余計な仕事を増やす例は、他にもある。

ワクチンパスポートでは、マイナンバーの利用制限が、なし崩しで緩和されている。こうしたことが続けば、マイナンバーが国民管理の道具に用いられるおそれがある。

デジタル化のために最も必要なのは、国に対する国民の信頼だ。

by Gettyimages

医療機関にそっぽを向かれた健康保険証への利用

デジタル庁は、健康保険証のかわりにマイナンバーカードを利用する計画を進めている。大々的に宣伝されたが、導入が進んでいない。

政府は当初、2021年3月に6割の施設で導入する目標を掲げていた。しかし、目標には遠く及ばず、必要な設備を導入した医療機関はまだ全体の1割未満だ。

現場の実情に合っていないのが原因と言われる。医療機関の側から見ると、仕事の効率を大きく向上させるようなことはなく、かえって余計な仕事が増える場合もあるようだ。

患者の側から見ても、保険証がマイナンバーカードになればどんな利点があるのか、はっきりしない。むしろ、問題のほうが多い。マイナンバーカードを外出時に持ち歩くことを心配する人もいる。

更新の手続きも面倒だ。。秘密鍵の有効期限が3年なので、3年ごとに自治体の窓口に出向いて更新手続きをしなければならない。5年経てばマイナンバーカードそのものを更新する必要がある。

健康保険証を利用する機会が多い高齢者としては、窓口まで出かけていって更新手続きをするのは、簡単なことではない。

 

マイナンバーカードへの切り替えが進まないと聞いて、ホッとした人が多いのではないだろうか? 要するに、医療機関も患者も望んでいないものを、無理矢導入しようとしているとしか思えない。人々の要請に応じるのではなく、マイナンバーカードの利用促進だけが目的とされている。本末転倒だ。

マイナンバーカードの保有率はこの1 、2年でかなり上昇した。ただ、それはマイナポイントの効果だろう。多くの人々は、マイナンバーカードを使いたいから取得したわけではあるまい。

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