2021.12.05
# 流通 # スーパー

日本人の「魚離れ」を加速させた、大手スーパーの魚売り場の「重い責任」

安さと安定感を追求した結果
川本 大吾 プロフィール

当然、脂の乗った大バチは値が張るが、スーパーで販売されるのはほとんどが中バチ。店頭で安さをアピールし、商品を手に取ってもらうには「少々高いが脂が乗った大バチ」とはいかない。しかも「パック詰めしたマグロは、パッと見で脂の乗りを判断できないから、どうしても安い中バチばかりを仕入れることになってしまった」(小谷氏)と振り返る。

まちの魚屋さんのように「ちょっと高いけど、こちら(大バチ)の方が脂の乗りが良くておいしいよ」と声を掛ける店員もいないからなおさらだ。アジと同様、マグロも「結果的に決しておいしいとは感じられない魚ばかりを売る事態になってしまった」というのが、小谷氏の印象だ。

スーパーの店頭に並ぶマグロの「さく」
 

安さを追求するあまり、アジもマグロも決して「上もの」とは言えない魚が品ぞろえの大半となったことで、消費者にとってはそれがスタンダードになり、魚離れにつながってしまったのではないか、と小谷氏は感じている。

そもそもスーパーは品揃えの上で、前述の通り価格や大きさなどの点でブレのない「4定」を重視する。そのため、仕入れ値や流通量が安定している養殖魚も多く扱う。マグロの場合は、養殖ものが比較的高いために例外となるが、サーモンはノルウェーやチリで養殖された魚で、ブリの養殖魚であるハマチやタイ、ホタテやカキなども養殖ものだ。

外国産も含めて、こうした養殖魚が幅を利かせるようになる一方、地方でよく聞かれるのが「地元の天然魚がスーパーで買えない」という不思議な現象だ。実はこれもまちの魚屋さんの減少、スーパーの増加と大きく関係している。

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