2021.12.04
# ビジネス

日本人が知らない、養豚の「残酷な現実」…日本ハムが“改善の草分け”になるか?

消費者も無関係とは言えない
細川 幸一 プロフィール

しかし、アキタフーズグループ秋田元代表はアニマルウェルフェアを進めるのではなく、政治家に裏金を渡し、それを封じ込めようとした。そして、それは国内の農政だけでなく、世界基準の策定にも影響を与えた可能性がある。

また、菅義偉政権で内閣官房参与を務めていた西川公也元農水大臣も本件関連の関与を疑われ、同参与を辞任したし、農水省の本川一善・元農水事務次官(現JRA副理事長)と大野高志・元畜産部長(現日本食肉格付協会会長)の秋田元代表との頻繁な会食に加え、現職の農水省幹部が接待されたとの報道もあった。

 

消費者も無関係ではない

日頃、口にする肉となる家畜や卵を産む鶏たちの飼育環境が、「カネにまみれた政治」からどのような影響を受けているのか、消費者は無関心ではいられない。当たり前だが、市場でモノを買っているのは消費者だ。政治家を通じて政策を捻じ曲げて、業界は安泰だと思っているのだろうか。

政治家に金をばらまけば問題を回避できると考えていると、変革の機会を失い、結局、市場と消費者から見放される。消費者の消費行動に対する責任が叫ばれ、商品の良し悪しだけでなく、その生産過程における環境、人権、動物への影響を考えた消費が求められてきている。

安いモノばかり買い求める消費者への消費者教育も重要だ。SDGsやエシカル消費(倫理的消費)の重要性は急速に高まってきている。業界も政治家や官僚に頼らず、日本ハムのように市場の動き、世界情勢、消費者の関心にもっと目を開き、新たなビジネスチャンスを開拓する勇気を持つべきだろう。

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