2021.12.04
# ビジネス

日本人が知らない、養豚の「残酷な現実」…日本ハムが“改善の草分け”になるか?

消費者も無関係とは言えない
細川 幸一 プロフィール

こうした日本ハムのアニマルウェルフェア配慮の方針に対して、アニマルライツセンターは、「世界に通用するアニマルウェルフェアへ大きな一歩」と高く評価し、「今後も多くの食品企業が、アニマルウェルフェアの変化を受け入れ、具体的な変化につながる未来を、一緒に描いてくれることを願います」とコメントを出している。

一方で、流れをせき止める動きも…

一方で日本ハムのこうした対応とは真逆に、アニマルウェルフェア推進を嫌い、政治家に裏金を渡してその推進を止めさせようとした事件にも最近動きがあった。

「政治とカネ」をめぐる醜聞が噴出しているが、今年のはじめの1月15日には東京地検特捜部と広島地検が、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ秋田善祺元代表から現金500万円の賄賂を受領したとして、吉川貴盛元農水大臣を収賄罪で、金を渡した秋田元代表を贈賄、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴した。

起訴状によると、吉川元大臣は在任中の2018年11月~19年8月、アニマルウェルフェアに関するOIE(世界動物保健機構)が策定する国際的な鶏の飼育指針案や、日本政策金融公庫の養鶏業界向け融資を巡り、業界に便宜を図ってほしいという趣旨と知りながら、都内のホテルや大臣室で3回にわたり、秋田元代表から現金計500万円の賄賂を受領したとされる。

検察側は「現職の大臣に多額の賄賂を供与し、農林水産行政に対する国民の信頼を失墜させた」として懲役1年8月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。

この秋田元代表の贈収賄容疑の判決公判が10月6日に東京地裁で開かれ、向井香津子裁判長は懲役1年8月、執行猶予4年(求刑懲役1年8月)を言い渡したことがニュースとなった。有罪判決だ。

 

ここで問題となっているのは、採卵鶏の飼育環境だ。鶏は、肉用のブロイラーと採卵用の採卵鶏(レイヤー)で品種が異なり、飼育方法も違う。レイヤーは、狭いところで多数飼える、糞尿の処理が簡単、採卵がしやすいなどの理由から、小さい金網の檻が連なる「バタリーケージ」に入れて飼育する方法が日本では主流だ。

バタリーケージでの採卵鶏の飼育例(アニマルライツセンター提供)

しかし近年は、鶏を苦しめるこの方法を改善し、平らなところで飼う「平飼い」(ケージフリー)等への移行が求められてきている。

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