2021.12.04
# ビジネス

日本人が知らない、養豚の「残酷な現実」…日本ハムが“改善の草分け”になるか?

消費者も無関係とは言えない
細川 幸一 プロフィール

アニマルウェルフェア(animal welfare)とは、動物福祉あるいは家畜福祉と訳されるが、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛をなるべく抑えることにより、生きものとしての命の尊厳を守り、より快適な環境下で飼育する考え方のことだ。

そのような世界的な流れを背景に、ESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資)の配慮項目の一つにはアニマルウェルフェアが含まれている。これを著しく損なうものの象徴とされる拘束飼育を続ける食肉企業や、その肉を調達し続ける食品企業は投資を得られなくなっていく可能性がある。

 

日本ハムの「大きな決断」

こうした中で、アニマルライツセンターが「Good News!」と称賛する出来事があった。大手食品加工メーカーでハム・ソーセージ加工でも首位に立つ日本ハム株式会社が11月11日に妊娠ストールフリーを表明したのだ。

「アニマルウェルフェアポリシー」を制定し、具体的な取り組み目標を発表した。2030年までに国内の全農場の妊娠ストールの廃止に加えて、2023年度末までに全処理場内の係留所に飲水設備の設置(牛・豚)、2023年度末までに全農場・処理場への環境品質カメラの設置も掲げた。

妊娠ストールの廃止以外の方針表明も動物愛護団体を驚かせた。日本の豚のと畜場の86%に飲水設備がない。新しくと畜場を建設する場合と建て替える場合のみ飲水設備を設けるというのが厚生労働省の基準で、改善が進んでいない。そうした中で日本ハムは建て替えに関係なく2023年までに飲水設備の完備を終えると表明した。

また、英国やフランス、イスラエルでは、と畜場など動物を扱う場所にCCTV、つまりカメラの導入が進んでいる。カメラが設置されているだけで、動物への扱いは穏やかなものに変わるといわれる。日本ハムは2023年までにCCTV設置を表明した。

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