IDから性別欄をなくそうとする国があれば、男性優位の根深い国で声を上げることを始めたばかりの人たちもいます。国や地域によって違う、世界のジェンダーとダイバーシティ。様々な取り組みの最前線から、話題のフェムテック・プロダクトまでを紹介します。今回は、アメリカ、カナダ、ルワンダの事例をピックアップ。

【カナダ】
NOW UPON A TIME

お姫様はもう、助けは要らない。現代版おとぎ話。

2019年、プロジェクト発足時に、アメリカのバージニア美術館で行われたリスニング・パーティーの模様。

白雪姫は眠りから覚めた後、王子に恋して結婚する。「ちょっと早過ぎない? まずはデートするべきだよね」「うん。デートして、もっと相手を知らなきゃ」。そう話すのは、こちらのプロジェクトの発案者、ニール・ウィリアムズの小さな娘たち。2人の娘におとぎ話を読み聞かせしていたウィリアムズは、古いジェンダーの固定観念に縛られていることに疑問を抱く。

お話だけでなく、エージェンシーのデザイナーによるビジュアルも現代的。女性主人公たちの目からは、力強さが感じられる。

そこで、彼が所属するクリエイティブ・エージェンシーの仲間と、前出の「白雪姫」や「人魚姫」など6つの童話を書き直し、ポッドキャストとして録音。Spotifyなどのアプリで無料提供している。〈NOW UPON A TIME〉に登場するのは、従来のか弱いお姫様像とは違う、自分の意思で行動する力強い女性たちだ。現代的な物語には、すべての子どもたちに力を与えるメッセージが込められている。

www.nowuponatime.org

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【アメリカ】
Girls Build™

ドリルもノコギリも自在に扱う女子になる!

ヘルメットにゴーグル姿で、大工道具と格闘する女の子たち。初めて触れるドリルやノコギリの使い方を教えてもらい、楽しそうに作業に熱中する姿が印象的だ。

8~14歳までの女子を対象に、大工仕事から電気、配管、塗装、自動車やバイクの整備など、多岐にわたって“Build”(造る)の基礎を教えている非営利団体。きっかけは建設現場で女性の大工は常に自分だけという状況に疑問を持った主宰のケイティー・ヒュースが、ポートランドの女子児童を対象にサマーキャンプでクラスを始めたこと。

初回から即満員となる人気ぶりで、いまやオレゴン州3カ所で開催。夏だけではなく、放課後クラブでも定期的にクラスが開かれるほど需要が高まりつつある。

女性は大工仕事や修理が苦手というのは先入観で、小さな頃からその機会と教育、実践の場を積極的に楽しい環境で与えられれば、興味と自信の芽が出る。〈Girls Build〉はそのための取り組みでもある。

girlsbuild.org

【アメリカ】
Lia

世界初、トイレに流せる妊娠検査薬。

多くの妊娠検査薬は本体にプラスチックを使用し、ワンウェイで廃棄となるため、ごみ問題にも繋がる。アメリカで誕生した〈Lia〉は、検査後にトイレに流して終わり! という、環境にも優しい検査薬。トイレットペーパーに近い天然の植物繊維から作られており、10週間で土に還る生分解性。また肝心の検査機能も、99%の正確さ。

商品はデザイン面でも優れていて、ミュージアムからも注目された。

妊娠検査というプライバシーを守れるよう、ブランド名のない無地のパッケージを使用し、フラットで持ち運びもしやすい形状に。検査後は、トイレに流して、痕跡をすぐ消せるのもいいところ。

共同創設者の2人、CEOのエドワーズ(左)とシンプソン(右)。

検査結果を保管しておきたい人には、真ん中で半分に切り離して尿がかかった部分を廃棄し、結果部分のみを保管しておけるという嬉しい配慮も。女性の発案によって、妊娠検査における女性の気持ちに寄り添い、環境にも配慮した優れものだ。