「地球温暖化はヒト誕生の宿命?」環境変動から"人類の時代"第四紀を振り返る

変動のメカニズムを理解することが大切

今日のように、私たちホモ・サピエンスが地球上のさまざまな環境に拡散し、適応するようになったことには、地球規模の環境変動という要素が深くかかわっていました。

それでは、なぜ環境は変化するのでしょうか? その様子は、どのように調べることができるのでしょうか? そして、その変化はどのように私たちの祖先に影響を与えたのでしょうか?

恐竜が暮らしていた中生代は、地球は今よりももっと暖かかったと考えられています。高緯度地方では15℃も平均気温が高く、南極や北極にも今日のような大きな氷河は存在しませんでした。しかし恐竜絶滅後の6000万年前ころから、少しずつ地球の温度は低下しはじめます。

恐竜が絶滅した時期を境に、中生代から新生代という時代に変化します。新生代は、第三紀(6600万年〜258万年前)と第四紀(258万年前〜現在)という地質年代に分けられています。第四紀はホモ属が大きく進化した地質時代だったといえます。

新生代は寒冷化と乾燥化の時代

新生代には、中生代にはじまった巨大大陸パンゲアの分裂が進みました。この地球内部の動きによって引き起こされた大陸移動の結果、南極に大陸ができて海流が変化した影響で、南極は冷たい海水に取り囲まれてしまいました。

【イラスト】巨大大陸パンゲアの分裂とウェゲナーアルフレート・ウェゲナーは、グリーンランドの氷に閉じ込められた気体の研究から、過去に地球環境に大きな変動をもたらす大陸移動が起こったと唱えた。しかし、それが正しいと認められたのは、彼の死後20年後だった illustration by saori yasutomi

その結果、南極に氷が集中して、ますます寒冷化が進んだと考えられています。4000万年前ころには南極に氷床とよばれる大きな氷河が発達しはじめ、3000万年前には南極点の周りは氷床で覆われてしまいました。3400万年前ころにオーストラリアと南極が完全に分かれると周南極海流が形成され、それまで熱帯地方にまで北上していた海流が南極を取り囲むかたちで熱循環から分離してしまい、ますます氷床が大きくなったと考えられています。

南極の寒冷化の歴史は、深海の堆積物に含まれる岩屑(がんせつ)によって知ることができます。寒冷化によって氷床が流れでてできた氷山が沖合まで岩屑を運ぶようになったのです。

一方、北半球では4500万年前ころにインド亜大陸がユーラシア大陸と衝突して、ヒマラヤ山脈やチベット高原が形成されたため、大気や海水の循環が大きく変化し、地球規模の環境変動を引き起こしました。

さらに、1000万年前ころには、ヒマラヤとチベットの隆起にともなう岩石の風化によって、海洋に溶け込んだ大量のカルシウムが大気の二酸化炭素を炭酸カルシウムに固定したため、大気中の二酸化炭素濃度が低下したことも気温の低下に拍車をかけたとされます。

このように、さまざまな要因が関係した結果、新生代は一貫して寒冷化と乾燥化の道をたどってきたということができます。

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