メルケル退任・ショルツ政権誕生で「ユーラシア大陸全体が中国の勢力圏となる」可能性

キッシンジャーの予言が現実味を帯びる

中国の国際報道のクオリティ

この頃、深掘りしたい国際ニュースを、日本のテレビ局ではなく、中国のテレビ局のニュース番組で知るということが多くなりつつある。

私は中国ウォッチャーとして、普段、中国中央広播電視総台(CCTV)や東方衛視(China Dragon TV)などを見ているが、国際ニュースに関しては、日本のNHKや民放の報道と比較すると、すでに大人と子供くらいの差ができてしまっている。

Gettyimages

「そんなことはないだろう。中国の報道は、まるで北朝鮮のようではないか」――こんな反論が聞こえてきそうだ。たしかにそうした一面は否定しないが、「北朝鮮的になるニュースの対象」は、あくまでも「中国国内に関するニュース」である。こと国際報道に関しては、中国国内と較べてはるかに規制が少ないので、「世界第2位の大国」にふさわしい大量のニュースが流れるのだ。

例えば、中国国営新華社通信は、アフリカ大陸で中国と国交がある53ヵ国すべてに特派員を派遣している。日本でライバルとされている共同通信は、わずかにカイロとナイロビの2ヵ所だけだ。

CCTVは、8月5日にイランの国会で行われたイブラハム・ライシ新大統領の就任式を、ペルシャ語の流暢なテヘラン特派員が、国会の中に入り込んで実況生中継していた。また、ライシ新大統領が宣誓したり、就任演説を行ったりする様子を、中国語の字幕をつけて流していた。

私はイランの国会の様子など、これまで目にしたこともなかったので、非常に興味深かった。アメリカはイランを「悪の帝国」のように言うが、あれほど民主的に選挙を行い、国会を運営している国が、中東諸国で他にあるだろうか?

また、世界中が驚愕した8月15日の「カブール陥落」の後も、CCTVは執拗にカブール市内やアフガニスタンの各都市を取材し、タリバン政権になってアフガニスタンがどう変わっていったかを、日々伝えた。広場や市場はむろん、学校や病院、一般家庭など、その取材範囲は多岐にわたった。その中には、タリバン幹部への詳細なインタビュー映像も含まれていた。

 

そして、今日の本題である先週11月25日のドイツである。

日本のテレビニュースは、わずか15秒くらいで、「ドイツで社民党(SPD)、緑の党、自民党(FDP)の3党が、連立政権を作ることで合意し、社民党のオラフ・ショルツ財務相が12月初旬、新首相に就任することになった」と、素っ気なく伝えた。新聞は、もう少し扱いが大きかったが、それでもやはり中国の報道にはかなわなかった。

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