ご成長のうれしさと寂しさ

平成23年の歌会始でも、銀杏の葉をお詠みになられた歌が披講されました。

「吹く風に舞ふいちやうの葉秋の日を表に裏に浴びてかがやく」

愛子さまが通われた学習院初等科には、昭和のはじめ頃から自生する銀杏の木があり、「大いちょう」と呼ばれて親しまれています。銀杏の木は、愛子さまの子ども時代を象徴する重要なモチーフでもあるようです。この歌は、平成22年の秋、風に吹かれてくるくると舞い散る銀杏の葉が、秋の日を受けて黄金色に輝く様子をお詠みになられたものです。

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10歳のお誕生日を迎える初等科4年生前後は、子どもから大人へと移り変わる大切な時期です。対人関係が広がり、物事を客観的にとらえる力が育ってきます。子どもの成長はうれしい反面、寂しさもともなうものです。散りゆく銀杏の葉の輝きは、愛子さまのご成長を見守る雅子さまのお心を動かしたのでしょう。

平成20年の歌会始で披講された歌では、平成19年12月に6歳の誕生日を迎えた愛子さまの様子をお詠みになっています。

「ともさるる燭の火六つ願ひこめ吹きて幼なの笑みひろがれり」

ケーキに立てられた6本のろうそくの火を吹き消すと、愛子さまのお顔に喜びの笑みが広がり、ご両親も笑顔になったのではないでしょうか。お誕生日の何気ないひとコマをお詠みになったものですが、天皇家の仲睦まじい様子が目に浮かんでくるようです。

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雅子さまがお詠みになった歌を振り返ってみると、我が子をただ愛するだけでなく、成長し、やがて大人になっていく存在として敬う姿勢が感じられます。そうした関係性が、天皇家に対して、わたしたちの多くが敬愛の念を抱く理由なのかもしれません。

愛子さまの20歳のお誕生日はお住まいの御所で、宮内庁長官や側近による祝賀、ご家族だけのお祝いの食事が行われるそうです。令和4年の歌会始は、愛子さまがお詠みになった歌も披講されます。成年皇族としてのご活躍が楽しみですね。