愛子さまをベビーカーに乗せて

秋が深まるにつれて、楓や櫨の葉は紅色に、銀杏や柏の葉は黄金色に色づき、いよいよ冬も間近という風情になっていきます。ここでは、雅子さまの歌に見られる木々の彩りを見ていきましょう。

「いちやう並木あゆみてであふ町びとにみどり児は顔ゑみてこたふる」

平成14年の秋、雅子さまは愛子さまをベビーカーに乗せて、神宮外苑の銀杏並木を散策なさいました。平成15年の歌会始で披講されたこの歌は、もうすぐ1歳のお誕生日を迎える愛子さまが、出会った人々に笑顔で応じる様子をお詠みになられたものです。

万葉集や古今和歌集にも紅葉を詠んだ歌がたくさんありますが、奈良時代末期に編纂されたとされる万葉集には黄葉を詠んだものが多く見られます。当時は中国の影響が強く、陰陽五行説でもっとも高貴とされる黄色に、特別な意味を見い出していたのでしょう。

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そうした視点で雅子さまの歌を詠むと、愛子さまの笑顔と銀杏並木の黄金色が響き合い、内親王らしい気品とおおらかさが際立って感じられるのではないでしょうか。

平成14年12月5日の記者会見で、愛子さまについて、雅子さまは次のようにおっしゃっています。

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「いろいろな所に出掛けましたときに、とてもたくさんの方に迎えていただきますけれども、何か皆さんの喜んでくださっているというのを、感じますのか、自分から一所懸命手を振ったりというのも、私たちが全く教えたわけではなくて、きっと皆さんのうれしそうにしている様子というのを感じ取って、それを素直に自分なりに表現しているのかしらと考えるのですけれども(後略)」