著名人を含め、美食を愛する人たちをとりこにしているクッキーがある。「よねむらクッキー」と呼ばれる、フレンチの名店「新門前米村」のオリジナルクッキーだ。
缶入り390g5500円(税込み)は、クッキーのお値段としてはお高めだが、手土産やプレゼントとして定番の人気を誇る。しかも、数年前からは、さらにアッパーグレードしたクッキーが、12月1日から3月初旬までの期間限定で販売されるようになった。こちらのお値段は、なんと「時価」。

時価っていったいいくらで、なぜ「時価」なのか。そもそも作るきっかけは何で、なぜそれでも売れるのか。創業30年目をむかえる名店のシェフでオーナーの米村昌泰さんご自身に「よねむらクッキー」の秘密を伺った。

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予約の取れない人気のレストラン

古美術店、骨董屋が集まる京都・新門前通りのレストラン「新門前 米村」は、コロナ前の’19年5月に開店した。そもそもは、’93年に祇園・木屋町に「レストラン よねむら」という名で人気を博した老舗の名店で、来年は創業から30年目を迎える。

京都は知恩院へと続く門前通りに建つフレンチレストラン「新門前 米村」。photo by 新門前 米村

フランス料理の技法を守りつつも、個性的で華やかなコース料理が評判となり、創業から1年を迎える前に、たちまち予約の取れない人気店となった。その後2004年、当時「東京で最も家賃が高い」と言われた銀座交詢ビルに2号店を出す。米村さんは言う。
「東京出店の話をもらったのは、木屋町の店をもう少し広い所に移して、お客さんが増えてきた最中だったので、出店に迷っていました。そんな頃、プロデュースを頼まれたある結婚式で、新婦のお父さんから『こんなに素晴らしい料理で娘の結婚式ができて、最高に幸せでした』と涙ながらに感謝されることがあって……」

出席者に喜ばれ、我が子を祝福してもらいたい、親の切なる願いだ。photo by Getty Images