2021.11.30
# 台風

11月30日 「最も遅い」台風28号が日本に上陸(1990年)

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1990年の11月30日、和歌山県白浜町に台風28号が上陸しました。これは記録の残る1951年以降で最も遅く、記録上唯一となる11月の台風上陸でした。

台風シーズンというのは7月から遅くても10月くらいのものであるというイメージが皆さんの中にもあると思います。

実際、台風の特異日(ある気象現象がその前後と比べて起きやすい日)は9月17日であるほか、気象庁によるここ数年の台風上陸数を見ても8月・9月に上陸する台風が多いことが一目でわかります。

逆に10月に上陸した台風の数を見てみるとここ10年間で4つと非常に少ないことがわかります。

この原因としては偏西風や太平洋高気圧の影響が挙げられます。

発生した台風は低緯度では海上を北西に向かって進み、中・高緯度になると「偏西風」におされて北東に進路を変えます。7月から9月の台風は太平洋高気圧の影響で急激に東に進むことができず本州に接近します。しかし、10月になり太平洋高気圧が弱まるとより手前で北東方面へ向きを変えるため日本列島よりも南を通過することが多くなるのです。

しかし、1990年の台風28号はそのようなセオリーから外れたコースを取り、12月も近い日本に接近、大雨と暴風をもたらしました。

台風28号はすぐに温帯低気圧へと変わりましたが、全国で死者・行方不明者が4人、162棟の建物を半壊または全壊させました。

この1990年の台風28号上陸は、それ以前の最も遅い台風上陸記録である1967年の台風34号(10月28日に愛知県に上陸)と比べても一ヵ月以上も遅いものでした。

このように、台風は毎年同じコースを通るわけではなく、年によって時期や頻度が異なっているのです。

被害を防ぐためには、時期外れだからといって気を抜くことなく、しっかりと災害対策と情報収集をすることが求められます。

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