妻や子供を「羊」だと思っている

以前、互いに財布を別にしていて、夫がパートナーの収入を知ろうとしない30代の友人夫婦の話を聞いて驚いた。その話を夫にしたところ、「それは妻をライバル視し、妻を仲間とみなしていないから」と言われた。

数々の同性の本音を見聞きしてきた夫曰く、そういう男性にとって家族は養うべき対象で、自分自身も家族の一員という意識があまりないと説明し、「自分を羊飼い、妻や子供を羊と思っている」とたとえた。

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この「夫=羊飼い」説を周りの女性たちに話したところ、思い当たる節がある人が多いようで、大いに盛り上がった。確かに、悩みを家族に相談できなかったり、家事や子育てを妻任せにして自分はタッチしない夫たちの話はよく聞く。その理由を、羊飼いたる自分の問題を羊である家族に話してもしょうがない、家庭を回すのも羊の仕事、と思っているからと考えると腑に落ちる。家事シェアがなかなか進まないはずだ。

何しろ、NHKが5年ごとに実施する『国民生活時間調査』で、男性の家事時間は極端に少ない。コロナ禍の2020年に実施した調査では、最も男性の家事時間が長い日曜日で、2時間15分。妻は5時間5分で約2倍働いている。平日の場合、4時間34分の女性に対し男性は1時間9分と約4分の1にまで下がる。有職者に限定すると、6~8時間仕事する男性でも平日は38分しか家事をしていないのである。

そこで今回は、この羊飼い説を掘り下げる形で、夫婦間の家事シェア問題について考えてみたい。