2021.11.30

どうする脱炭素!? 地球を温暖化から救うために知っておくべき「二酸化炭素回収技術」最前線

人類にとって最大の課題のひとつ、地球温暖化。

今すぐに大胆な対策を講じなければ、後戻りできない「深刻な事態」に陥るとして、世界中が温暖化の原因となる「温室効果ガスの排出削減」に挑んでいます。日本も、2030年度に温室効果ガスの排出量を46%削減する目標を掲げていますが、果たして実現することはできるのでしょうか。

そんな中、世界各国が競うように開発を急いでいるのが「二酸化炭素を回収」する技術。本格化すれば、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにするかもしれない「脱炭素の切り札」「脱炭素の救世主」として期待が高まっています。

どんなすごい技術なのか。課題は何なのか。人類の危機を救おうとする脱炭素技術開発の最前線を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の山田宏之さんと炭素回収技術研究機構(CRRA)機構長の村木風海さんが徹底解説します。(NHK「サイエンスZERO」取材班)

NHK提供
NHK提供

増加が止まらない! 二酸化炭素排出の現状

世界の二酸化炭素排出量を見てみると、産業革命以降上がり続け、今では年間335億トンに。そのうち日本は10.8億トンで、世界で5番目に多く排出しています。では、二酸化炭素の出どころはどこか。発電所などが最も多く、工場、自動車などの運輸関連、そして家庭と続きます。

 

「再生可能エネルギー」や「エコカー」など様々な分野で技術開発が進んでいますし、「二酸化炭素を出さない生活」を心がけている人も増えています。しかし、人間が活動を続けていく限り、「排出量を大幅に減らすことは難しい」のも現実です。

そこで注目が集まっているのが、「排出された二酸化炭素」を「回収」する技術。
その一つが、工場や製油所などの施設から出る二酸化炭素を「集めて地下に埋める」というCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれる方法です。二酸化炭素が発生したとしても、大気中に放出されなければ、二酸化炭素の増加は抑えられると言うわけです。

北海道にあるCCSの施設では、2016年から官民一体となったプロジェクトによる二酸化炭素圧入の実証実験が行われています。製油所から排出されるガスを、パイプラインを通じて隣接するCCSの施設に運びます。そこで「アミン溶液」という「二酸化炭素の吸着剤」を使って、二酸化炭素を回収し、地下に埋めるという実験です。実験開始から3年半で、目標の「30万トンの二酸化炭素の貯留」に成功しています。

そしてもう一つ、「実用化できれば、温暖化問題の解決に大きく貢献できる」(山田宏之さん)、「もし成功すればミラクルな未来が待っている」(村木風海さん)と熱い期待が寄せられているのが、DAC(Direct Air Capture)と呼ばれる技術です。大気中に分散する二酸化炭素を回収しようという挑戦的な試み。でも、いったいどうやって回収するのでしょうか。

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