2001年の映画第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』公開から20周年を迎えた。金曜ロードショー(日本テレビ系)では、映画『ハリー・ポッター』シリーズ第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』と第5作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』が2週連続で放送される予定だ。

2001年、『ハリー・ポッターと賢者の石』の頃の3人 Photo by Getty Images

そして、2022年7月には、ロンドンでもブロードウェイでも多くの賞に輝いた「19年後のハリー・ポッター」が描かれる舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』がいよいよ日本にも上陸する。改めてハリー・ポッターフィーバーとなりそうな2021年~2022年、2018年の時の舞台リポートを再編集の上お届けする。

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演劇の賞でハリー・ポッター?

​2018年5月1日、2018年度のトニー賞のノミネート作品が発表された。トニー賞はNYブロードウェイで上演されたミュージカルや演劇に与えられる賞で、映画でいうアカデミー賞にあたる最大の権威がある賞だ。当時最も注目を浴びたのは、作品賞をはじめとした新作演劇部門の最多10部門にノミネートされた『ハリー・ポッター』だった。

舞台が作られるまでに世界で歴代3位のシリーズ興行収入85億ドル(860億円前後)をたたき出した「ハリー・ポッター」シリーズの映画は、7話で終わっている。「これがシリーズの最後の映画」「もうハリー・ポッターの小説は書かない」ことは、著者のJ.K.ローリング本人も、版元であるイギリスのブルームバリー社も断言している。

この、終わったはずのシリーズの「続きの話」が、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子(原題:HARRY POTTER AND THE CURSED CHILD)』なのだ。

まずは簡単に舞台となっている物語の背景を説明しよう。まだご覧になっていない方には、映画7話のラストの内容に触れることをお許しいただきたい。

これが映画の最終話

映画の7話『ハリーポッターと死の秘宝』のラスト、キングス・クロス駅9と4分の3番ホームでのワンシーンを覚えている人は多いだろう。「19年後」とタイトルが出た後、ハリーが入学のためにホグワーツに向かう息子アルバスと話すシーンだ。ホグワーツ魔法学校で父と敵対していた寮、スリザリンに入ることになったらどうしよう、と11歳の息子が心中を明かすシーン。ハリーは息子にこう言う。

「アルバス・セブルス・ポッター、ホグワーツの二人の校長からもらった名前だ。一人はスリザリン、父さんが知ってる人の中でも、おそらく一番勇気のある人だった。(もしスリザリンになったら)スリザリンは素晴らしい生徒を一人獲得したってことだ」

映画はこのシーンで終わる。そして舞台の物語は、そのシーンから始まっている。つまり、舞台は完全なる「映画の続きの物語」なのだ。有名すぎる父を持ち悩めるアルバスと、そんな子供とどう接したらいいか迷う父・ハリーを中心に新しい物語が展開しつつ、過去にさかのぼってもいく。

ちなみにこの「続きの物語」『ハリー・ポッターと呪いの子』は脚本のみの出版になっているが、アメリカとカナダで2日で200万部を売り上げたのをはじめ、脚本として異例の売り上げを記録した。

『ハリー・ポッターと呪いの子』脚本発売前日には、世界各地でイベントが開催された Photo by Getty Images
『ハリー・ポッターと呪いの子』発売日はもちろんコスプレ姿が続々 Photo by Getty Images