ずっと付き合える友達ができた

志望校に入れても、厳しい中学受験の反動で遊んでしまう子、やりたいことが見つからない子もいると聞く。逆に勉強量の多い学校は、その子に合っていれば、磨かれて成長できるだろう。けれど、勉強についていけない「深海魚」になり、息苦しい10代を送るのも辛い。Dさんの話を聞くと、入学後の過ごし方が大事だと、考えさせられる。

「この学校に行って良かったのは、自由な校風の中で、自分で考える力が身に付いたことです。

例えば、起業を体験するプログラムがあり、文化祭で会社を経営したこともあります。NPOや企業とコラボして商品を売ったり、お菓子を売るために株主総会を開いたり。予算をつけてもらうのに、保護者や校長先生、企業の方にプレゼンしました」

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ずっと付き合える友達や、相談できる先生に出会えたことも、大きい。

「仲の良かった友達は、それぞれ就職していて、今も月に1回は会います。

また、先生の転勤がなく、卒業後も学校に帰れるのがメリットです。大学院に進む時は、学年主任だった先生に相談に行きました。

地元の公立高校は、縛られてばかりと聞きます。大学もここに行ってと指定されるとか……。地元では、専門学校や就職の道を選び、大学に行かない子も多いです」

もちろん、小学校時代の友達と一緒に地元公立中に進み、地域のつながりの良さを感じながら、学校生活を送る子もいるだろう。Dさんは、息苦しさを感じた地元を飛び出して選んだ学校で、自分らしく過ごし、人間関係を築いた。その過程で、自己肯定感が育ち、大学受験に向けても、自主的に頑張れたのではないかと思う。

「私は、私立一貫校でいろいろな経験をするうちに、勉強が好きということがわかり、希望の大学に入って、今があります。振り返ってみても、往復4時間かけて通ったかいがありました。学費を払って応援してくれた家族にも、感謝しています」

中学受験は人生の中の一部。Dさんは自分の目で見て自分で選択したからこそ、遠くへの通学も、大学受験も頑張ることができたのではないだろうか Photo by iStock