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SDGsの不都合な真実…誰にも反論できない「きれい事」のウラに潜む落とし穴

極論は捨て現実に即した努力を

SDGsはビジネスチャンスなのか

本稿は『SDGsの不都合な真実 「脱炭素」が世界を救うの大嘘』(12人の著者による共著)の紹介。先週の続きである(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89483)。

繰り返しになるが、SDGsというのは持続可能なより良い世界を目指すための目標で、「貧困を無くそう」、「すべての人々に健康と福祉を」、「平和と公正をすべての人に」などから「パートナーシップで目的を達成しよう」までの合計17項。2015年に国連が提唱し、加盟国が2030年までに達成することを目指すもの。

一方、ESGとはEnvironment=環境、Social=社会、Governance=企業統治の略で、いわば良い企業が満たしているべき条件とされる。要するに、ESGを重視する良い企業が増えればSDGsを達成することができるはずという「正論」が、現在、産業界を支配している。

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藤枝一也氏(素材メーカー環境・CSR担当)は、「企業『環境・CSR担当』が告白 SDGsとESG投資の空疎な実態」と、「海洋プラごみ削減には全く無意味『レジ袋有料化』の目的と効果を再考する」の2稿を著しており、どちらもとびきり面白い。

「SDGsを広めたいコンサルタントなどの専門家は『SDGsはビジネスチャンスです』と繰り返す。(略)しかしながら、ビジネスチャンスとは本来、気が付いた人が誰にも言わずに密かに取り組むことで利益を得るものである。したがって、国連が作成し全世界に公開されている17分類169項目の文書がビジネスチャンスになるはずがない」

というのには笑ったが、ただ、ふと我に返り、そのためにいったいどれだけの国富が失われようとしているのかと考えると、悲しくなる。

氏の論考からは、SDGsの深部まで知り尽くした人のみが発することのできる警告が満載だ。必読の稿である。

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