2021.11.28

74歳の女性が、子供の「ローン返済」を“よかれと思って”援助した後に起こった悲劇

来年に廃止される可能性の生前贈与。そのなかでも一番注目されているのが、110万円を非課税枠で渡せる「暦年贈与」の改変だ。 前編の「来年「生前贈与」がなくなっても損しないための意外な裏ワザ」では、これからの暦年贈与制度に何が起きるのかおさらいしながら、税額を最小限おさえる方法を紹介した。後編では「みなし贈与」の意外な落とし穴についてお伝えする。

住宅業者に払うのはセーフ

「60万円も税金取られちゃったわよ。怖いから黙って払ったけど」

福岡県在住の井上和夫さん(74歳・仮名)は、娘に怒られたという。娘夫婦が自宅を新築した際、借り入れた住宅ローンの一部を井上さんが返済したのだが、それが税務署に察知されたらしい。

「『資産の買入価額などについてのお尋ね』と言う紙が届いて、そこに資金源を正直に書いたら『それはみなし贈与です』と指摘されたそうで……。娘夫婦の負担を減らしたいと思って、私から援助を申し出たのですが」

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子供が家を新築し、親がその費用を贈与した場合には、申告すれば非課税にできる。しかし、すでにある借り入れの返済を肩代わりした場合は課税されてしまうのだ。

よかれと思ってしたことが、実は贈与や相続にあたると発覚し、想定外の税金を取られることは珍しくない。

「このように、双方の自覚や意思表示はないけれど、結果的に税金逃れになってしまう財産のやり取りを『みなし贈与』『みなし相続』と呼びます」(税理士の井上直輝氏)

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