2021.11.28

来年「生前贈与」がなくなっても損しないための「意外な裏ワザ」

2回のチャンスを有効に使う方法

「孫に贈与」で大失敗

埼玉県に住む川内佳子さん(77歳・仮名)は、悩んでいる。

一昨年に夫が亡くなり、6000万円の預貯金を相続した。そんな時にネットで「まもなく暦年贈与ができなくなるかもしれない」という情報を目にして、不安になってしまったのだ。

「貯めっぱなしにして相続税を一人息子に支払わせるくらいなら、早いところ渡してしまいたいと思っているんです。でも、早ければ再来年には制度が変わってしまうらしいじゃないですか。無税で渡せるのが2年分、たった220万円だったら、いまさらやっても効果なんてないんじゃないですか」

彼女の懸念は半分正解で、半分間違いだ。確かに、セオリー通りの暦年贈与—税金が一切かからないように毎年110万円以下を贈与する—だけならば、残り2年で得られる効果は小さいかもしれない。

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しかし、詳しくは後述するが、実は贈与額を必ず110万円以下に抑える必要はない。むしろ、あえてこのセオリーを破ることで、大きな効果を得られることもある。そして川内さんのケースは、その格好の事例なのだ。

今は制度改正を目前に控えた「非常時」だ。「暦年贈与といえば110万円以下」という固定観念に縛られることなく、残されたチャンスを最大限活かすための「真実」を伝授してゆこう。

前提として、これから暦年贈与の制度に何が起きるのかをざっとおさらいしたい。

「政府は令和元年度以降、生前贈与の縮小を税制改正大綱に盛り込んできました。その手始めに、次の税制改正で、暦年贈与の持ち戻し期間を見直すのではないか、と業界では言われています」(税理士の山本和義氏)

いまの税法には、「贈与者が亡くなる3年前までに行われた生前贈与は無効となり、相続財産に加算される」というきまりがある。これが「持ち戻し」だが、制度改正後はその期間が10年に延ばされるとみられる。

すると、例えば75歳で暦年贈与を始めて85歳で亡くなった人は、すべてが水の泡となるわけだ。

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