2021.11.28
# 介護

「義理の息子」からの暴力に苦しむ80歳女性…コロナ禍の介護で増える「高齢者虐待」の悲劇

新型コロナウイルス感染予防対策として、今まで利用していたデイサービスやショートステイ(介護施設への泊りなど)を控える高齢者世帯が多かったことは、介護事業の経営者として筆者も実感しているところです。そして、そんな自宅に引きこもった高齢者の介護を、在宅ワークなどで自宅にいられるようになったご家族が担っていたケースも多かったことでしょう。

しかし、単発的な介護と違い突然「日常的な介護」を担うことになるのは、ご家族が想像する以上に負担が大きいものです。また、キーパーソン(メインで介護を担う人)一人に負担がかかってしまいがちになることが介護の問題点でもあります。ここから「高齢者虐待」という悲劇を生んでしまうことがあります。

本記事ではコロナ禍をきっかけに起きてしまった高齢者虐待のケースを紹介しつつ、この問題の解決策を考えます。

義理の息子から「独自のリハビリ」を強要されて…

今回紹介するコロナ禍をきっかけに起きてしまった高齢者虐待のケース、主な登場人物は以下の2人になります。

・被虐待者 Nさん(女性80歳)、要介護1
・虐待者 同居する長女の夫(57歳)会社員

都内に住むNさん(女性80歳)は新型コロナウイルス感染防止のため、コロナ禍はデイサービスなどの介護サービスを中止。一年以上閉じこもりに近い生活を送っていました。

Photo by iStock
 

自宅内での歩行や日常生活の動作にはあまり支障がないものの、膝の痛みが強く、長時間歩くことは難しいため、買い物は同居している会社員の長女(58歳)にお願いしていました。通院など、どうしても必要な外出の際は、シルバーカーを使ってなんとか歩いていましたが、以前と比べて足腰の筋力が低下してしまったことは誰が見ても明白でした。

今年の10月中旬、新型コロナウイルスの感染者数が激減したことで、Nさんは約一年ぶりにデイサービスを利用することになりました。久しぶりにNさんを自宅まで迎えに行ったデイサービス職員は、一年ぶりに会ったNさんが以前よりも痩せており、顔には不自然なあざがあることに気がつきました。

介護職員が「Nさん、お顔のあざはどうされましたか?」と聞くと、Nさんは職員と目をそらしながら、「家で転んじゃったのよ…」と答えました。

職員は、「それは大変でしたね。病院には行きましたか?骨折などはありませんでしたか?」と聞くと、Nさんは「ええ、もう大丈夫ですから」と職員の話を切るように答えました。

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