通り魔に遭遇したときに、一般人が絶対に「やってはいけない」意外なこと

逆に備えておくべきことはコレ
週刊現代 プロフィール

通り魔事件に遭遇した場合の心構えも、松本さんは他の人以上にできていたのかもしれない。取手市の事件の2年前には、同じ茨城県の土浦市で2人が死亡する凄惨な通り魔事件が発生していた。その報道を見て、何かあったときに自分は迷わず止めに入るという覚悟を決めていたという。

ここでも重要なのは、松本さんも何も考えずに相手へ向かっていったわけではないということだ。

「通り魔などの凶悪犯に遭遇した際、がむしゃらに相手へと向かって行くことは、ときに功を奏することもありますが、決して褒められた行動ではありません。警察では任務中に、興奮して勝ち目のない相手へ向かっていくようなことをすれば、無謀だと咎められてしまいます。

暴漢に立ち向かう勇気や正義感は尊いものですが、我を見失って何も考えずに動いても、結果として上手くいく可能性は低いからです」(警視庁警備部の元幹部職員)

Photo by iStockPhoto by iStock
 

前出の坂さんは体格に恵まれており、松本さんには前もって武術の心得があったという背景もある。だが、極限状況でも取り乱さずに行動し、事態を収めた。これを可能にした理由は、「危機に直面したときにどう行動するか」を、普段から想定していたことが大きい。

かつて自衛隊特殊部隊に所属し、非常時に向けた訓練を積んでいた伊藤祐靖氏が語る。

「極限状況で取り乱さずにいられるかは、その人の素養によって差があります。しかし、訓練を積むことによって、冷静さを保っていられる可能性は高まります。

人間は危機に直面したとき、同時に2つ以上のことを求めるとパニックに陥り易くなります。ですから特殊部隊では、必ず選択肢に優先順位をつけて考えさせます。自分が無傷で生き残り相手を倒すことは目指さず、最低限自分には被害が及ばないようにするのか、それとも怪我をしてでも相手を倒すのか。どちらかを選ばせるのです」

危機を想定し、有事に何を優先すべきか前もって考えておく。これは特殊部隊に入隊する精鋭だけでなく、私たちのような一般人にも有効な訓練だ。伊藤氏が続ける。

関連記事