性暴力を受けても仕方のない人はいない

セックスワーカーとして働くなら、そうしたリスクも覚悟の上だったのでは? と思う人もいるかもしれない。

しかし、性暴力を受けても仕方のない職業なんてない。性暴力を受けても仕方のない状況もない。被害者がセクシーに見える格好をしていたとしても、双方が性行為そのものに同意していたとしても、恋人・夫婦の関係であったとしても、いかなるジェンダーでも、性暴力は決して許される行為ではないし、暴力を振るった側が100%悪いのだ。

〔PHOTO〕iStock

僕もかつては自分を責めたことがあったが、今は自分にはまったく非がなかったと思っている。もし1%でもこちらに非があるかのようなことを言ってくる人がいたら、その人は暴力を振るう側に立つ人間だ。

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女性が負う金銭的な負担の大きさ

僕の場合は幸い妊娠の可能性はなかったが、もし妊娠する可能性がある人だったら、僕以上にリスクを背負わされただろうと思う。そしてその場合は金銭的な負担も大きい。

知人女性にこの話をした際、彼女が当時付き合っていた男性との行為中にコンドームを外されたときのエピソードを教えてくれたので、本人の許可を得た上で紹介したい。土曜の夜のことだったが、大きな不安に襲われた彼女は翌日、病院で緊急避妊薬(アフターピル)を処方してもらい、性感染症の検査を受けた。その病院は土日も緊急避妊薬を処方する数少ない病院で、2万円という高額設定をしていることでも有名なところだったという(※)。その病院では性感染症の検査が1万円だったので、妊娠と性感染症の不安を払拭するために、彼女は3万円も支払ったのだ。

※編集部注:緊急避妊薬の処方は日本の病院では自由診療のため保険適用外で、相場は約6千円から2万円。海外と比べて手間もお金もかかり、必要な時に入手するのが困難なため、薬局で入手できるようOTC化が議論されている。