みんなセックスレス #08 体を求めた先に 後編

もはや社会問題と言っても過言ではない、夫婦の「セックスレス」。本連載では、毎回1組にフォーカスし、彼らがどのようにその問題と向き合っているのか紹介する。

飲食店を営む36歳の倉田さん(仮名・男性)は、結婚して8年を迎える。フルタイムで働く同い年の妻とは仲がよく、7歳と5歳の息子たちとあたたかで幸せな家庭を築いている。しかし、第二子の出産を機に、妻から体に触れることすら拒否されるように(詳しくは、前編「『パパになったあなたを、男として見られない』セックスに耐えられない夫が下した決断」を参照)。セックスレス2年目を迎えてとうとう限界に達した倉田さんは、友達に紹介されたデリヘルに電話する。

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体だけでは満たせない心

不安でドキドキしながら待ち合わせのホテルの前をウロウロすること数十分。倉田さんは意を決してホテルへ入り、初めてのデリヘル嬢を待った。

現れたのは予想以上に美しい女性だった。正直、愛する妻よりもずっと美人の彼女に心がときめいたが、行為が終わりお金を払う段階になった瞬間、倉田さんの心にすっと冷たい風が吹き込んだ。セックスをお金で買ったという嫌悪感と虚無感が入り混じった、やるせない気持ちになったのだ。外見や振る舞いは申し分もない女性だったが、性の快楽は一瞬で終わった。倉田さんはやはり愛している人とセックスをしたいと思った。

〔PHOTO〕iStock

けれどもその半年後、倉田さんはまたしても孤独と欲求不満に負けて、デリヘルに電話してしまう。だが、次に会った女性は言葉も態度も悪く、倉田さんは途中で行為を止めてお金を支払い、その女性には帰ってもらった。

そんな最悪の経験をしたのに、倉田さんはその数ヵ月後にまたデリヘルに電話をしてしまったという。だが、一瞬の快楽の直後に味わうのは絶望的な後悔。そんな思いを数ヵ月ごとに繰り返し、デリヘルが止められなかった倉田さんに予想もしなかったことが起こる。コロナが起きる直前、行きつけのスナックのママに恋してしまったのだ。