みんなセックスレス #08 体を求めた先に 前編

もはや社会問題と言っても過言ではない、夫婦の「セックスレス」。本連載では、毎回1組にフォーカスし、彼らがどのようにその問題と向き合っているのか紹介する。

飲食店を営む36歳の倉田さん(仮名・男性)は、結婚して8年を迎える。フルタイムで働く同い年の妻とは仲がよく、7歳と5歳の息子たちとあたたかで幸せな家庭を築いている。付き合っていた頃からケンカをほとんどしたことがない夫婦だが、5年も続くセックスレスに関しては冷静な話し合いも歩み寄りもできていないという。

倉田さんはTwitter界隈で言うところの、“レスられ”(パートナーにセックスを拒否されている側)である。セックスを何年も拒絶された夫はどんな気持ちになり、どんな行動にでるのか――。夫婦の関係は決して一般化できないが、倉田さんの体験はよく聞く話なので取材させてもらった。

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第二子出産後、キスすら拒まれるように

2年の付き合いを経て2014年に結婚した倉田さん夫婦は、性格や趣味の相性がバッチリだった。ただ、セックスだけは別。妻はいつも受け身で、彼女自身の欲求や好みを主張したことはなく、それにまつわる話もタブーだった。そんな彼女の性に対する保守的な姿勢を物足りなく思っていた倉田さんだが、そのほかの相性は抜群だったので、結婚当初はさほど問題視していなかった。

結婚2年目、第一子が誕生した後、セックスの頻度は結婚前の半分に減ってしまう。ただ、結婚前は月10回していたので、それでも週に一度はしていることになる。それに、育児や家事、仕事に奮闘する妻に対して、倉田さんは頻度が減ったことを責める気にはなれなかった。どんなに家事や育児を夫婦の間で均等にしたつもりでも、産後はやはり妻のほうに負担がかかるからだ。育児が一段落すれば、彼女の性的欲求が戻ってくると信じていた。

〔PHOTO〕iStock

しかし、第一子が2歳になった頃に妻が第二子を出産すると、状況はさらに悪化。妻が倉田さんのキスすら拒むようになってしまったのだ。

「子供が可愛いから2人目ができたことに文句はないですが、2人目を出産してからちょっとしたスキンシップも奥さんに嫌がられて、ショックでした」(倉田さん、以下同)