2021.11.27
# 本 # エンタメ

かが屋・加賀翔が初めて明かす「コントと小説、その作り方の“決定的な違い”」

小説『おおあんごう』から見えるもの

『キングオブコント2019』ファイナリストであり、人間の感情の機微を描いたコントを得意とする気鋭のお笑いコンビ・かが屋。そんなかが屋の加賀翔が初めての小説『おおあんごう』(講談社)を上梓した。岡山の田舎で粗暴な父親に振り回されながら生きる少年の姿を描いた作品である。

激しい暴力こそ振るわないものの、主人公は父親の傍若無人な言動に頭を悩ませている。一方でその態度をどこかで面白がり、自分のなかで笑いに変えながら日々成長していく。父の不条理に巻き込まれる少年の姿はさながらかが屋のコントのキャラクターのようでもある。

コントと小説。二つの表現方法に違いはあるのか。かが屋のコントに漂う「哀愁」はどこから来るのか。発売前に重版となった話題の本作をもとに、加賀翔の「原点」を辿るロングインタビューをお届けする。

「ここまで違うのか……」の連続だった

——近年、小説を書くお笑い芸人が増えてきていますが、加賀さんが小説を書こうと思ったきっかけは何だったんでしょうか。

最初に文芸誌『群像』の編集部から、エッセイを一本書きませんかと依頼をいただいたんです。かが屋のコントは展開のはっきりした物語調のものが多いから、「加賀ならなにか書けるだろう」と思っていただいたんでしょうね。でも、『群像』ってすごく格式のある雑誌です。自分の中では「文芸界の少年ジャンプ」みたいな印象だったので、自分には怖れ多いな、と思ったんですが……これを逃すと、『群像』に書くチャンスなんてそうそうないと思って、すごく緊張しながらも、一生懸命書いて出したんです。

そうしたら、声をかけてくださった編集の方がそれを気に入ってくれたようで。

 

そのとき書いたのは、父と子の不思議な関係を描いた実話に基づくエッセイでした。僕はちょっと複雑な家庭に生まれて、小学4年生の時に両親が離婚しているんです。母親と二人で暮らした期間が長かったんですが、芸人になろうと東京に出てきた時に父と劇的な再会をしまして。その時の経験をエッセイに書いたら、担当の方に「これをもっと膨らませて小説を書いてみませんか」と言われたんです。

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