日米韓の共同会見“中止騒動”…何が起きていたのか、その「顛末」

文政権の大統領府は外交を軽視?
牧野 愛博 プロフィール

日本政府の対応は

一方、日本政府はどう対応しただろうか。

16日、金昌龍長官の竹島訪問が確認されたのは、森外務次官がまさにワシントンに向けて出発する直前というタイミングだった。森氏は出発取りやめも考えたが、主催者の米国の顔をつぶせないと判断し、日米韓協議には出席した。

そして、共同記者会見についても悩んだ末、「会見に出席すれば、記者団からの質問が竹島一色になり、日米韓協力を訴えられなくなる」と米韓に説明し、会見への出席を見送ったという。

日本政府関係者は、昨年11月にあった茂木敏充外相(当時)と中国の王毅国務委員兼外相の共同記者会見を巡る問題が影響したとの見方も示した。

当時、王毅氏は記者会見で、尖閣諸島を巡って一方的に中国の主張を展開。その場で反論できなかった茂木氏に批判が集中した。この関係者は「森氏も会見に出ただけで、自民党などから批判の集中砲火を浴びる可能性があった。あの光景が頭に浮かんだのではないか」と語る。

冒頭の17日、ワシントンで、森氏は韓国の崔鍾建第1外務次官と協議した。日本の外務省は、森氏が竹島問題で韓国側に適切な対応を強く求めたと説明。同時に「日韓関係を健全な関係に戻すべく、外交当局間の意思疎通を継続していくことで一致した」とした。日韓次官協議 は淡々とした雰囲気のうちに終わったという。

ただ、日韓両政府からは、「こんな事件が起きた以上、首脳会談はもちろん、外相会談も当分は難しいだろう」という声が出ている。日本政府関係者の1人は「韓国は、対話の門を開けていると盛んに主張している。だが、対話の門をくぐろうとする意思をくじくようなことを、なぜ繰り返すのかと言いたい気持ちもある」と語った。

 

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