岸田政権のせこいバラマキを憂う-小出しの集大成、55.7兆円

効果は「働かなくてよい楽園」幻想だけ

バラマキにさえならない、「バ」といったところ

岸田文雄氏が11月10日、第206特別国会で第101代首相に選出された。この第2次岸田内閣で初の「目玉政策」となるのが「18歳以下の子どもに一律10万円相当給付」とのことだ。

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バラマキそのものの問題点については10月25日公開「日本は外国に借金していないからデフォルトしないというのは本当か?」など多数の記事で述べてきたが、岸田政権の「目玉政策」はバラマキにさえ至らない「バ」とか「バラ」にしかすぎないといえよう。

しかも、18歳以下の子供という区切りの根拠が不明確だ。例えば、この区切りの上の世代となる大学生の多くは、パンデミック騒ぎで飲食店などでのアルバイト収入を絶たれ苦しんでいる。

また、所得制限を設けるということだが、その場合、子供の所得ではなく「親の所得」で足切りされる。そして、「10万円をもらえた家の子供」と「もらえなかった家の子供」が併存することになる。「当事者」であるはずの子供たちは、この「区別」をどのように感じるだろうか? 学校で話題にならないとは考えにくく、もしかしたら「いじめ」の遠因になるかもしれない。

しかも、世帯の総所得を把握するのは技術的に困難とのことで、世帯の中で最も所得が高い人の所得で足切りされるそうだ。例えば960万円で足切りされた場合、誰か1人の所得が1000万円であればもらえないが、共働きで950万円+950万円=1900万円であればもらえるというのはどう考えても不公平である。

事前の評判通り岸田首相が「けち臭い」人物なのか、それとも自民党と連立を組む政党のごり押しなのか。いずれにせよ「岸田ケチケチ内閣」とネーミングされそうな状況である。

 

なお、政府が11月19日に決めた経済対策は財政支出が55.7兆円と過去最大に膨らんだが、言ってみれば「小出しの集大成」にしかすぎず、「明確なビジョン」が感じられない。ただ金額が大きければ良いというわけではない。「メリハリ」が大事なのだ。

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