子どもの面前で妻を蹴った

なぜ妻にひどい態度をとり続けてしまうのか。池田さんは子どもの頃、両親の激しい喧嘩をよく目にしていたという。母の怒りは池田さんにも向けられ、大事にしているものを壊されたりもした。

池田さん:ものを投げたり大声を上げたりすることがDVなら、実家の両親も、祖父もみんなDVをしていたと言えます。それくらい、私にとって喧嘩は日常的にあるものでした。だからこそ、「自分が親になったら、子どもを大切に育てたい」と、思っていました。それなのに……。

自分自身の両親も大きな声を上げ、ものを投げる人だったという、photo/iStock

そして、私は決定的なDVを犯してしまいます。夏休み、子どもたちと妻とキャンプに出かけました。前々から計画していた旅行で、仕事から解放されることもあって、私自身がすごく楽しみにしていました。コテージを予約し、昼間は子どもと遊び、夜は自分たちで料理を作り……。一方で、「楽しい夏休みにしなくては」と、多くを求めすぎました。

トイレは少し離れている場所にあるし、子どもは夜泣きをするしで、夜は全く眠れませんでした。楽しいはずのキャンプでストレスが積み重なっていきました。

翌日、些細なことで私は怒り出しました。「お前のせいで、うまくいかないんだろう」と、自分の不満を妻のせいにして、喧嘩をふっかけるいつものパターンです。当然、妻も言い返してきて喧嘩になりました。その日違ったのは、妻を蹴ってしまったこと。
「ついに(身体的な暴力を)やってしまった」。しかも、子どもの見ている前で。

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その時の私は、今思えば両親に叱られている子ども時代の私でした。一時不登校になり、学校に行けなくなった時期があり、学校に行くまで親に責め立てられた思い出があります。妻から責められると、フラッシュバックのようにあの時の自分と重なって、怒りが爆発してしまったのだと思います。

妻の言うことはいつも正論で、間違っているのは私です。そのおかしさに気づいていながら、その時はどうしても謝ったり、認めたりできないのです。責められると反発心が芽生えました。自分を否定されるのが我慢ならなかったんだと思います。