要介護2でも入居できる施設を探す

トミ子が夜中から明け方の時間帯でも外に出る恐れがあるとわかり、これはさすがに私たちの手にあまると思い知った。トミ子と私たち、両方の生活を守るために、施設への入所を検討することにした。
しかし、トミ子はこの時点で要介護2であった。特別養護老人ホームへの入所は、通常要介護3以上からしか認められない。介護付き老人ホームは入居金からして高額で、はなから無理である。私は実母と伯母の介護の記憶を辿って、インターネットで調べることにした。

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そして、すると1件、自宅から1時間ほどのところに手頃なグループホームがあることがわかった。グループホームなら要支援〜要介護2まででも入居可能だ。しかし、介護保険で「地域密着型サービス」に位置づけられているグループホームや小規模多機能型居宅介護は、その自治体に住民票がある人しか利用できない。でも情報収集のためだ、と利用方法など問い合わせることにした。

施設紹介サイトからは、すぐに返事が来た。
「グループホームはおっしゃるとおり住民票のある方に限られますが、お問い合わせの施設には、『高齢者住宅』もあるのです。こちらでしたら、お義母さんの現状でも入居して、内部のデイサービスに通うことが可能です」

トミ子には自分がどんどん衰えているという自覚があった。それがどういう状態か理路整然と説明することはできなかったが、家の中の配置がわからなくなったり、家族のことがわからなくなったりして不安が募っていた。だから「容子さん、あたしをどっか施設に入れてよう。もうなんにもできないし、したくもないからさ。ああどっか行っちゃいたいよー」と嘆くことがあった。

施設に入所という話を本人にしたら、どう感じるだろうとためらった。しかし、日常的に通っていた小規模多機能型施設のことは気に入っており、「泊まることもできるんだって」と宿泊の人をうらやむようなこともあったので、できるだけさりげなく、高齢者住宅の話をしてみた。すると、本人、たいへん乗り気になった。老人ホームやグループホームではなく「高齢者住宅」という名称がよかったらしい。

「へええ、そういうのがあるんなら、行ってみたいねえ」
義母は翌週、体験入所することになり、なんとあっさりそのまま入所してしまった。