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新型コロナ「第5波」で稼働しなかった「幽霊病床」、その解消のためにできること

「第6波」に備えて

医療供給逼迫の原因

新型コロナ感染症の「第6波」への備えが急がれるなか、いわゆる「幽霊病床」の「見える化」の問題が浮上している。これまで、コロナ患者の受け入れを条件に多額の補助金を申請して確保病床に登録しながら、いざ患者搬送となったら稼働しない。見せかけの幽霊病床が少なくなかった。医療提供体制が逼迫した要因の一つである。

拙著『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』にも記したが、たとえば、東京都では、自宅療養と入院・療養等調整中の待機者が合わせて3万9592人に達した8月21日、入院できた患者は3964人に過ぎなかった。都の確保病床6400床の6割しか使用できていない。4割弱の病床が「絵に描いた餅」では医療提供体制は穴だらけだ。岸田政権は、あるかないのかわからない幽霊病床を、情報共有で明らかにし、正確に病床を積み上げようとしている。

 

幽霊病床に伴う問題はそればかりではない。「医療倫理の欠如」「補助金の無駄遣い」といった問題もはらんでいる。第5波の感染ピーク時にコロナ病床約70床をフル稼働させていた首都圏の公立病院の院長は、次のように語った。

「コロナに転用できる病床数は、あらかじめ、それぞれの病院のマンパワーなどで決まります。われわれは感染制御上、病棟単位でコロナ用に転換します。感染状況に応じて、一般病床の一部を少しずつ転用して医師や看護師を割り振るような話ではない。可能なマンパワーとの兼ね合いで決まる。補助金は病床申告すれば支給されます。

コロナ用に病床を空けたと言いながら、患者さんを入れなければ、お金だけ入る。本当に患者さんを診ている側はやりきれないですよ。流行初期は、病床を確保するのにインセンティブの補助金が必要だとしても、これだけ経験したのだから、ちゃんと患者を診ているところにお金を回してほしい」

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