離婚を切り出す「タイミング」を間違えた…! 50代妻が青ざめた「熟年離婚の大誤算」

堀井 亜生 プロフィール

厳しい生活資金のシミュレーション

熟年離婚を考える妻のプランは、「退職金を始めとする財産を半分もらい、年金を分割して、老後の暮らしに充てよう」というものです。

しかし、A子さんのケースで見られるように、実際にこういった妻が離婚の相談に来た際に、筆者が老後の生活資金についてシミュレーションをすると、現実は妻の想像以上に厳しいものだとわかります。

まず、ただでさえ収入が下がってくる状態で熟年離婚を選ぶのですから、生活はさらに苦しくなります。別居をしても、月々もらえる生活費(婚姻費用)は、下がった年収をもとに計算するので、妻が一人暮らしできるほどの金額にはなりません。夫からもらう婚姻費用と自分の収入を合わせてやっと生活できるという状況になります。

また、年金や退職金も昔に比べて受給額が低くなってきていますし、退職金は残りの住宅ローンの返済に充てなければいけない場合があります。子どもの学費のために、会社から貸し付けを受けていたり、教育ローンが残っていたりする場合もあります。
そのため、妻が想定していたような、離婚して退職金と年金で悠々自適な暮らしを……ということにはなかなかならないことが多いのです。

[PHOTO]iStock
 

定年が視野に入ってくる現在50代後半の人たちは、いわゆるバブル世代です。その親の世代は、ローンで家を購入して、年功序列で昇給を続けて貯蓄して、退職金でローンの残額を返済した後、残りの退職金と年金で悠々自適の暮らしをしてきた年代です。

しかし、そのライフスタイルを踏襲してきたバブル世代が定年に近くなってくる昨今は、社会のシステムが以前とは変わってしまっています。

親世代と同じように生きてきたはずなのに、気がつくと老後の生活が立ちいかなくなる可能性が出てきてしまっているのです。まして、熟年離婚となるとますます生活は苦しくなります。

関連記事

おすすめの記事