“改憲”なくして“政治の健全化”なし…「維新」と「国民民主」の躍進を受け、改憲議論の行方は

静かに改憲の機運が高まっている。自民党内で中道路線をとる宏池会の岸田文雄首相が、改憲に前向きな姿勢を取り続けている。呼応するかのように、野党の中で中道といっていい日本維新の会と国民民主党が、改憲に向けた協力関係を取り始めた。

かつて安倍政権下で、改憲派が国会の議席の3分の2を占めたとされたときでも、改憲論議は前に進まなかった。自民党が、一切の改憲の可能性に抵抗し続けた立憲民主党や共産党に配慮し続けたからだ。

中道路線の岸田政権になり、意外にもかえって改憲の機運が高まるということが起こりうるか。憲法9条に関する改憲の問題に焦点を絞りながら、考えてみたい。

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憲法問題は日本の政治の停滞の最大の原因

憲法問題は、日本の政治に閉塞感をもたらしている根源的な問題である。「憲法学者こそが日本社会の最高峰に君臨する絶対的な存在である」、という態度を野党第一党がとり続ける限り、野党が政権を奪取する可能性はない。憲法学者のおかしな憲法九条解釈を金科玉条とする政党が政権を担えば、日本の安全保障政策は破綻するしかない。選挙民にしてみれば、破綻の選択肢は選べないので、結果として、選挙になれば、野党が負け続け、自民党が勝ち続ける。

この状況は、明らかに不健全である。選挙になれば野党が必ず負けるので、自民党にとっては、野党の抵抗で改憲が果たされない状態が、一番都合が良い。与党の座に安住できる。

なぜ野党は万年野党の座に安住するのかと言えば、世代交代が果たされるまでは一定の固定ファンに訴えることが、現有勢力の確保に合理的だからだ。年長の野党議員が、あと数回の選挙において自分の議席を維持することだけを目指すなら、固定ファン層に訴えるだけの政策をとるのは、合理的である。

言うまでもなく、この事情は、比較的新しい中道路線をとる政党にはあてはまらない。したがって日本維新の会と国民民主党が、改憲を目指し、安全保障政策にも責任を持つ政党であることをアピールするのは合理的である。そしてこれらの政党が勢いを持つならば、改憲の機運は高まる。

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