自身初となるウエディングソング「FINAL PIECE」をリリースしたばかりのHYDEさん。稀代のヴォーカリストでソングライターであることは誰もが知るところだが、HYDEさんの熱烈なファンは、その“ライヴアーティストとしての魅力”に取り憑かれている人が多いのではないだろうか。インタビューの前編では、コロナ禍でのライヴ活動を「ルールに則って、信用を積み重ねていくしかない」と話していたHYDEさんに「信用」というテーマで話を聞くと、仕事をする上でのHYDE流哲学が浮かび上がってきた。

2021年6月25日中野サンプラザにて 撮影/岡田貴之
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「人は信用していないです」の真意

「厳密に言うと、僕は、人を信用してはいないです。基本的には、“信用”って積み重ねじゃないですか。人と人とが出会って、時間を過ごす中で、一つ一つ信用を重ねていけば、次の新しい一歩を踏み出すとなったときに拠り所にするものですよね。これまで、トントントンと事が運ばれてきたから、次もきっと大丈夫だろう、と。でも、僕の場合は、過去の一連の流れがあったとしても、必ずしも次の一歩もスムーズに運ぶとは限らないと思っちゃいますね。

仕事で誰かと一緒に作業するときなんかは特に、『自分の思った通りになると思うなよ』と、まず自分を戒める(笑)。人って、自分の思った通りになると期待するから、そうならなかったときに傷つくと思うんです。友達関係でもそうですよ。『こいつのことめっちゃ好きだし、めっちゃ信用できる』と思っても、相手に期待しちゃダメ。だって、どんな人だって、未来のことは予測不可能だし、最後の最後、どんなことが起こるかなんて誰にもわからないじゃないですか。

……こんな話をすると、『HYDEは人間不信なの?』とか思われるかもしれないけど、そうじゃなくて(笑)。たとえばライヴでも、今はファンの子がたくさん来てくれるけど、次からは来ないかもしれないわけで。『それなら、今ここに一緒にいられることを感謝するべきじゃない?』って思う。一緒にいられる今、次も来てくれるようなライヴをすることが重要で、その子が次に来ないことは、僕の実力不足かもしれないし、彼女の事情かもしれない。でも、一緒にいる時間は全力で充実させたい。シンプルに“今”に集中するようにしています

ライヴのときは、「今に感謝する」ことで、刹那だけれど強固な信頼関係が生まれる。一方で、新曲をリリースするときなどは、「今までずっと好きだったから、次もいい曲だろう」と思って手に取ってくれるファンの信頼に応えたいと思うことが、曲を作るときのモチベーションになっていることは間違いないという。