「PCR陽性」でも在日米軍は「隔離ナシ」…水際対策のとんでもない“抜け穴”

今回で、なんと3度目だ
半田 滋 プロフィール

重要な情報は一切入ってこない

在日米軍専用施設の7割が集中する沖縄県では昨年夏、米軍基地内で感染が爆発した。米軍は7月、8月に大規模な異動時期を迎え、大勢の米兵や軍属が基地の集中する沖縄へ押し寄せた。

在日米軍司令部は「出国前と入国後にそれぞれ14日間、隔離している」というが、無症状者に対してはPCR検査を行っていなかった。

在沖縄米軍司令部は米海兵隊普天間基地とキャンプ・ハンセンでクラスター(集団感染者)の発生を認め、両基地を「シャットダウン(閉鎖)した」と発表した。しかし、両基地ともゲートで検温するだけで米兵や日本人従業員の車はふだん通り出入りさせた。

米海兵隊普天間基地[Photo by gettyimages]
 

発症状況からみて感染拡大が疑われるのは、米国の独立記念日にあたる7月4日とその前後だ。各基地の内外で大規模なパーティーが開かれ、それぞれのイベントに大勢の米兵やその家族らが集まり、大騒ぎしたことがわかっている。

だが、米軍は日本側への詳細な情報提供を拒み続けた。沖縄県の玉城デニー知事は同月8日、記者会見し、「ローテーションや転勤などで沖縄の外から入ってくる米軍関係者の数などの状況について、一切情報がないということは大きな問題だ」と述べた。

当然だろう。どれほど厳格な水際対策をとっても、米軍というブラック・ホールに飲み込まれてしまえば、すべての努力は水泡に期す。

そもそも日米両政府は2013年1月の日米合同委員会で「在日米軍と日本国の衛生当局間における情報交換について」(2015年9月修正)を取り交わし、「人の感染症」について67の疾病を挙げ、「確認した場合は、可能な限り早期に通報する」ことで合意している。

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