# エネルギー

岸田政権の筋違い…ガソリンに補助金出すなら、揮発油税を下げよ

新しい資本主義は、ばらまき、官僚主導

大盤振る舞いの効果に疑問

政府が11月19日にまとめた経済対策に、高騰するガソリン価格に対応した補助金の導入を盛り込んだ。原油価格の上昇や円安によってガソリンの小売価格が上昇しているのを抑えるのが狙いで、ガソリンを給油所に販売する「石油元売り会社」に補助金を出す。

ガソリンの平均価格が1リットルあたり170円を超えた場合に1リットル5円を上限に補助金を出す。年末年始までに開始し、2022年3月まで続けるという。

岸田文雄内閣は選挙公約だったとして大規模な経済対策を実施。総額55兆円あまりの財政出動は過去最大規模だ。まさに大盤振る舞いの補正予算とあって、各省庁が「経済対策」の名目で様々な予算を盛り込んだ。

萩生田光一経産相  by Gettyimages

ガソリン補助金は経済産業省のアイデアで生まれた。「時限的・緊急避難的な激変緩和措置」だと萩生田光一経産相は言うが、さっそくその政策効果に疑問の声が噴出している。

日本経済新聞は対策が決まる前日の朝刊で「ガソリン補助金 効果・公平さ疑問」「市場機能ゆがめる恐れ」と紙幅を割いて伝えた上、翌日の社説でも「ガソリン高対策の補助金は問題が多い」と畳みかけた。

実際、実効性が上がるかどうかは疑問だ。元売りに補助金を出したからといって、それが小売価格の引き下げにつながるかどうかは分からない。補助金のすべてが末端価格の引き下げに寄与せず、流通途中の事業者の懐に吸収される可能性も十分にある。また、補助金が出るのだからと言って企業努力をせずに安易に小売価格の引き上げが行われてしまう逆効果も考えられる。

 

かといって、適正に価格引き下げが行われるよう厳格に運用しようとすれば、経産省が価格統制しているのと同じことになり、役所の権限を強化することになる。もちろん、それを経産省が期待していることも十分に考えられる。業界に「恩を売る」一方で、規制権限が強化できれば、定年後の官僚の天下り先が確保できる。規制改革や公務員制度改革が求められる前のかつて見た光景へと舞い戻っていくことになりかねない。

「時限的」と言っているが、役所が始めた政策が当初予定どおりに収束することはまれで、経済状況が悪いと言ってはズルズルと継続するのはいつもの姿だ。

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