2021.11.24
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山中伸弥教授が同級生の小児脳科学者と語る「子育てと筋肉」

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る(8)
これまでいくつかの書籍を刊行してきたノーベル賞科学者・山中伸弥教授だが、「子育て」について書いた​本はまだ一冊もない。どうすればわが子が山中教授のように育つのか?を知りたい全国の親御さんに届ける子育て本『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』が発売中。
神戸大学医学部時代の同級生で、山中教授の「勉学の恩人」でもあった小児脳科学者・成田奈緒子医師が、山中教授がこれまで語ったことのない本音を引き出します。

親にしてもらって良かったことを子どもにする

山中 成田さんご自身の子育てについても詳しく聞かせて。アメリカに行ってましたよね?

成田 そうそう。私も夫と一緒に留学したんだけど、まだ子どもがいなかったので身軽でした。4年いて帰国して私大の付属病院に勤めることになったんだけど、出勤初日に妊娠がわかって。マタハラ(マタニティーハラスメント)も経験しました

山中 そうなんだ。本当に、あなたは次から次へと大変なことが……。でも、娘さん、無事に生まれてよかった。

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 成田 ありがとう。中学生の時から母の子育てについて疑問を持ち、日本でもアメリカでもいろいろな子育て本を読み漁ってたおかげで、かなり実践は楽でした(笑)。

山中 腰痛なのに、タクシー代を節約して歩いて帰ったんだもんね。娘さんもお母さんに似てたくましく、女子力も高いんやね。

成田 はい、娘はそう申しております。彼女は中学からずっと演劇部だったので、私はアイラインの引き方を中学生の娘に教えてもらいました。あ、アイラインとか言ってもわからんね。ま、化粧です。

山中 母と娘はいいなあ。仲良さそうで。うらやましい。で、どんな子育てやったん?

成田 端的に言うと、私が母からしてもらって「あれは良かった、自分のプラスになった」と思えることを娘にも施す。一方で、嫌だったことは絶対せずに、してほしかったことをしてあげる。そんなところでしょうか。

山中 おお、早寝早起きがその第一歩ですね。

成田 そう。まずそれは徹底しました。小児科医になって、脳科学も学んで早寝早起きが子どもの脳の発達に及ぼす大きな影響を知ったうえに、自分にもその実感がある。運良く子どもを育てることになったので、これは実験しなきゃと思ったのね。

山中 わが子で実験したんだ。どのくらい寝させたの?

成田 小学生の子どもの睡眠時間は9~10時間が望ましいんだけど、時間の長さもさることながら「眠っている時間帯」が重要なんです。生後50日から保育園に預けてましたが、夜8時までに寝かせる。それだけを徹底してたら小学生の時には自律的に8時就寝、朝は5~6時起床になってました。

山中 すごいな。で、君もその生活リズムに付き合うの?

成田 私はずっと夜8時か9時ごろに寝て、3時から4時に起きていました。私が付き合うんじゃなくて、娘も勝手に同じリズムになってきた感じ。コロナ禍で大学が全面オンライン授業となり下宿に引きこもる生活になってからも、娘は朝5時起床。入浴・運動・大量の朝ごはん自炊・学習を午前中に済ませる生活で、心身共に快適に過ごしているようです。でも、山中君も、小さいときから早寝早起きだったでしょ?

山中 そうね。両親は共働きでほぼ一緒に仕事に出ていくし、僕も中学と高校は1時間くらいの通学だったから、朝は6時に起きてたかな。夜更かしは苦手で、12時までには寝ていたように思います。

大学に入って柔道部から医学部ラグビー部に転部してからは、朝10時から練習だったから、7時くらいには起きて、下宿で一人暮らしだったけど、朝ごはんはしっかり食べてから練習に行った。ラグビーが面白くて熱中してたから、学生のわりに夜も早く寝てたよね。

成田 早起きが良かったんだと思うな。娘さんたちも早起きだった?

山中 特に早起き、っていうわけじゃないけど、朝ごはんは必ず食べていたと思う。

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