着物という素晴らしい文化を守り続けたい」と語るのは、未来のキモノの発信者であり、進化するこれからの“キモノ”を着てほしい人に贈られるアワード「キモノイスト」を授賞したモデル冨永愛さん。親から子へ、子から孫へと代々受け継がれる着物こそ、サステナブルファッションであるーー。「キモノイスト」が掲げる想いをもとに、冨永愛さんが考える「着物とサステナブルの関係」について話を伺った。

この日のお召し物は、シックな配色が粋な「JOTARO SAITO(ジョウタロウ サイトウ)」のもの。「すごくモダンな色柄で、落ち着きがあるのにどこか華やか。とても気に入っています」と、冨永さん 撮影/日下部真紀

冨永愛(とみなが・あい)|モデル

17歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題となる。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルの他、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティ、女優など様々な分野にも精力的に挑戦。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。公益財団法人ジョイセフ アンバサダー、エシカルライフスタイルSDGs アンバサダー(消費者庁)、ITOCHU SDGsSTUDIOエバンジェリスト。

——冨永さんにとって、着物とはどんな存在ですか?

特別なものでありながら、身近なものでもあるというか。どこか懐かしさを覚えるのは、きっと先人たちのDNAが刻まれているからでしょうね。コロナ禍以前は、食事や結婚式などで着ることもありましたし、昨年のステイホーム時期は友人とリモートで一緒に着付けをして、着物姿でお茶会を楽しみました。

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——モデルとして、10代の頃から海外で活躍されていた冨永さんからみて、着物という日本文化はどのように映っていましたか?

とてもユニークなものだと感じていましたね。着付けができるようになったのも海外での経験がきっかけでした。海外の人たちは、政治や文化など自国のことをよく知っていて、若い頃からさまざまな議論をしている一方で、日本のことを聞かれても何も答えられない自分が恥ずかしくて……。それで日本文化を学ぼうと思い、着付けを習い始めました。

撮影/日下部真紀

——親から子へ、子から孫へと代々受け継がれていく着物はサステナブルファッションとも言えます。冨永さんの考える“着物とサステナブル”の関係とは?

着物をつくる反物は、一枚の長方形の布からできていて、昔は襖(ふすま)紙や布団カバー、赤ちゃんのおむつなど、さまざまな日用品に活用されていたそうです。その背景には、文化を支える伝統と、技術を持つ職人さんたちがいて……そういう観点から見ると、着物はサステナブルだと言えますよね。けれど、やはり現代人は着物を着る機会がほとんどありませんから、そのことにより大切な伝統が継承されず大変な思いをされている職人さんたちがいることも事実。着物というすばらしい日本文化を守っていくことはとても大事なことだと感じています。

——着物という文化を守るためには、やはり着る機会を増やすということですよね。

そうですね、人生の節目に「着物を着る」という選択肢を加えてみるのも良いかもしれません。とはいえ、無理に着る必要はないですし、好きなときに着れば良い、それで十分だと思っています。特別な機会に着物が着たいと思うことは、とても素敵なこと。知らずと自国の文化を尊重し、愛しているということですから。

どうしても着物を着るとなると身構えてしまう人もいるかもしれませんが、例えば、普段はいているブーツを合わせるのもありだし、女性が男性の着物を着ても良い。難しいことを考えず、もっと自由に、洋服と同じように楽しめたら良いですね。

実際に着てみると、帯がコルセットのように体を支えてくれるので意外と楽。下着、着物、さらに何重にも巻かれた帯で、大切なお腹周りをしっかりと守ってくれるのも安心します。自分で着られるように着付けを習って……となるとハードルが高いので、レンタルなどを利用してみるのもおすすめです。

着る機会を増やすのももちろんですが、「キモノイスト」のような催しをきっかけに着物のすばらしさを知る人が増える、ということも大きなアクション。第一回目ということなので、今後もぜひ続けていただきたいですね。