"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1924年の今日、数学者のブノワ・マンデルブロ(Benoît B. Mandelbrot、1924-2010)が生まれました。彼はポーランドのワルシャワ出身のユダヤ系の人物で、1936年にフランスに移住しました。
彼の叔父であるシューレム・マンデルブロ(Szolem Mandelbrojt、1899-1983)は、架空の人名を筆名とし活動したフランスの数学者集団「ブルバキ」(Nicolas Bourbaki)のメンバーでもある、著名な数学者でした。そんな叔父の影響を受け、彼は数学者を志します。
ブノワ・マンデルブロは、1970年代に「フラクタル(fractal)」という幾何学の概念を導入したことで特に知られています。フラクタル図形は、図形の一部と全体とに相似性があり、拡大・縮小しても見え方が変わらないなどといった特徴を持ちます。自然界ではカリフラワーの一種であるロマネスコなどに見ることができます。

フラクタル図形として有名なものに「シェルピンスキーのギャスケット」があります。これは、正三角形の各辺の中点を結んでできる中央の正三角形を切り取り、残った3つの正三角形に対しても同じ操作をする、ということを無限に繰り返していくことでできる図形です。

彼は長年IBMの研究員を務め名誉フェローとなったほか、イェール大学では教授を務め、2010年に85歳で亡くなりました。