「元暴力団員」報道に見る、日本のマスコミが考えていくべき「配慮」

これまで以上の注意が必要だ

名誉棄損を問う3つの裁判

暴対法、暴力団排除条例と、暴力団に対する締め付けが、年々、厳しくなり、暴力団構成員の数は激減、2020年末の人数は2万5900人となった。

16年連続の減少で、その分、増えたのが元暴力団員である。

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ただ、「元」になったとしても生きていくのは容易ではない。5年経過すれば、暴力団関係者という認定から外れる「元暴5年条項」という規定はあるものの、元暴力団組員というレッテルは残る。

それだけに、「元暴力団員」という報道には、これまで以上の注意が必要だ。今年は、「元暴報道」の名誉毀損を問う3つの裁判で判決が下された。

 

ひとつは、野田聖子・内閣府特命大臣(少子化対策、地方創生、男女共同参画)の夫・文信氏の元暴力団員報道に関するもの。

18年7月、暗号資産(仮想通貨)を巡り、野田氏サイドが金融庁に圧力をかけたという報道が相次ぐなか、『週刊文春』と『週刊新潮』が、文信氏が過去、会津小鉄会系暴力団に所属していたと報じ、文信氏が両誌を訴えていた裁判は、今春、地裁判決が下された。

東京地裁は文春報道に関し、3月24日、「金融庁圧力」について「真実性が認められない」として、110万円の支払いを認めたものの、「元暴力団員」とした部分については、「真実と信じる相当な理由がある」として、名誉毀損を認めなかった。

新潮報道については、4月21日、文信氏側の請求を棄却、「元暴力団員であるとの事実の重要部分は、真実であると認められる」とした 。(いずれの裁判も控訴)

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