2021.12.10
# ADSpecial

理想は「三河屋のサブちゃん」…?カクヤスの「ピンチに強い」経営哲学

「冷蔵庫の隣まで運ぶ」ことが生む信頼

アルコールの「罪」の部分と向き合う

──今後についてお聞きします。これまでのカクヤスは他社にない物流モデルで成長してきましたが、これからもそれだけで生き残れると考えですか。

佐藤:それは難しいでしょうね。これからは商品戦略も必要になるかも知れない。既にプライベートブランドも持っていますが、酒以外の扱いを増やすことも求められるでしょう。営業エリアも東京以外に拡大する必要があるでしょう。

PB商品「K-Price」のウイスキー「365」を両手に掲げる佐藤社長。旗艦店の「なんでも酒やカクヤス」王子店前で

カクヤスグループは2019年12月に上場して以降、2020年九州の酒類販売店2社を子会社化しました。また、2021年にはチルド物流、置き配モデルを展開する明和物産という牛乳販売店(宅配)も子会社化しています。当面、傘下に収めた会社を拠点に九州地区全域にサービスエリアを広げることを考えています。

ただ、物流で差別化することを強みに伸びてきた会社であることも事実。そこを軸にすることは恐らく今後も変わりません。

──カクヤスの成功を見て真似る業者も出てきました。競合とどう差別化するのでしょうか。

佐藤:カクヤスが「1時間で即日配達する」と発表した途端、他社も1時間配達を追随してきました。ただ、それは当然だし予想できることです。ひとつだけ真似されないことがあるとすれば、それは「まだ生まれていない新サービス」です。

それは我々も分かっていないのだから、真似しようがありません。逆に言えば我々が生き残るために次々と新サービスに挑戦し続けるしかないということです。

私は企業の強みは「生み出す力」だと思っています。しかしそれは凄く大きな変化でなくてもいい。例えば1万人の内、ひとりが支持してくれるものなら、対象を一千万人にすれば千人が買ってくれる可能性がある。それを続けることが重要。それを少しずつ増やしていく。それが、我々がこれからもやっていくことだと思います。

──酒の販売以外にCSR活動にも積極的と聞きました。

佐藤:酒はコミュニケーションツールでストレス発散にもなる素晴らしいモノですが、一方で功罪の「罪」に当たる部分があることが気になっていました。つまり、依存症や飲酒運転などで、それらに目を背けたままでビジネスを続けることはできない、と思うようになったのです。

アルコールなど依存問題に取り組む団体の存在を知ったのもその頃です。なにか貢献できないかと相談したところ、「アルコール依存の人を指導するトレーナーを育成したい」「相談の電話窓口対応を手厚くしたい」という課題が上がってきました。

そこで、我々でその活動を支援させてもらうことにしました。酒を販売することを生業にする以上、そこで得た利益の一部は、酒の功罪の「罪」の部分を解決できることに使っていきたいと考えています。